『レギュラーになれないきみへ』(元永知宏・著)
天気の良い日になりましたが,朝は雲が広がり小雨も落ちてくる天候でした。
蒸し暑く,少し動くと汗が噴き出してくる感じでした。
新型コロナ禍の影響で,さまざまな催し,イベントが中止や延期になっています。
子供達の活動にも,“発表の場”の無くなっています。インターハイ,全国文化祭など全国大会が中止され「最後の大会が…」と悲しむ姿を伝えるニュースなども目にしました。
今回は“皆が同じように,機会がない”のですが,大会や発表会では「正と補」により与えられる機会が異なります。
皆が“正”や“賞”を目指して練習を重ねています。
高校野球から語られる『レギュラーになれないきみへ(岩波ジュニア新書)です。
表紙は投手と捕手と思われる2人が描かれています。マンガ「バトルスタディーズ」の一場面だそうです。
この夏,全国大会が中止になり,「地方大会だけでも…」と試合がもたれるようですが,何かムズムズした感じをもっていました。
はじめにで紹介している
甲子園はゴールじゃない。ゴールになってほしくない。「ポジションは補欠です。3年間野球をやりました」と胸を張れるのがカッコいいと僕は思いますの言葉を,大会や発表会の無くなったすべての高校生や大学生に贈りたいと思いました。 新型コロナ禍が,大会や発表会を“ゴール”としていた意識を見直す機会となったのに,それを“代用”で誤魔化した気がします。 本書の「きみ」達から学ぶことは…。 若者も大人も,ゴールをながめ,人生を見つめてみませんか。 読書メモ
○ その選手がいる成長するかは誰にもわからない。指導者にも,本人にも。だから,あきらめることなく,打ち込むことが重要なのです。 ○ 難しいことは考えなくて,自分がやりたいからやる。それだけです。 ○ 大切なことは,自分よりも優れた能力を持つ人間を認められるかどうか。自分の能力を見極めながら,人の意見も聞きながら,自分のポジションを知ることが大事なんです。 ○ 大きく羽ばたくためには,一度,身をかがませなければいけない。(略) あのときの挫折や悔しさがあるから,いまがある。 ○ 不平不満をこぼす時間があれば,もっと違う何かができるはず。「腐るか,肥やしにするかは本人次第」なのです。 ○ それまでの練習に取り組む姿勢を見ていたので,「あいつがやったんなら仕方がない」と納得したでしょう。野球に限らず,人間関係すべてにおいて大事なのは,「信じる,信じ合う」こと。
目次 はじめに 1 甲子園のスタンドから巨人の星を目指す(松原聖弥) 2 野球の世界に別れを告げてクリケットに転向(山本武白志) 3 三年生部員が挑む最後の試合『ラストゲーム』(塩見直樹) 4 名門・広陵を準優勝に導いた背番号18のキャプテン(岩本淳太) 5 26歳でIT会社社長になった「圧倒的な補欠」(須田瞬海) 6 伝説の高校野球チームで得たもの(なきぼくろ) 7 東京六大学初の女性主務が見た「補欠の力」(小林由佳) 8 「奇跡のバックホーム」を生んだ師弟の絆(矢野勝嗣) おわりに【関連】 ◇岩波ジュニア新書(岩波書店) ◇元永 知宏(Facebook) ◇バトルスタディーズ @battlestudies1(Twitter)