集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『学校改革スタートブック』(時松哲也・山田眞由美・著)

花0318。 風は冷たく感じましたが,天気がよく心地よい一日でした。  今日は,初めての“テレワーク”で,ずっとパソコン画面の前でした。  これまでの仕事で利用することはありませんでしたが,Zoomでの会話や交流は,“ここでできること”から内容と手順を計画すれば,十分な成果が出せそうです。   “work”になったか疑問もありますが,楽しい経験でした。  先日,学陽書房から新刊(発刊前?)の『仕事はここまで削減できる! 学校改革スタートブック』(学陽書房・刊)を送っていただきました。  著者は,大分大学教育学部附属小学校の時松校長と山田指導教諭,そして西川純氏(上越教育大学教職大学院 教授)が編集をしています。  白地の表紙に題字を黒と赤の文字,そして帯の位置を赤くし白い文字で「全員が早く帰れる学校を実現!」と書かれていました。  序章で
 私は,教員としての学びは学校現場で,先輩と子どもから学ぶところが大きいと思っています。先輩と子どもに恵まれれば,徐々に教師として成長できます。  しかし,過労死レベルの職場は,その教育力を失っています。結果として正規採用された新人が1年も経たずに辞めていきます。
と西川氏が述べ,教育力のある学校へと向かっていく(改善していく)ことを伝えています。  学校現場の力が活かされない職場となってしまっている現状,そして学校へ,その“改善の糸口”を大きく見せてくれています。  大学の附属学校での取り組みに,「自分達と違う…」「大学だからできる…」と,この本を手にした先生方が思われるかもしれません。  “「ありえない」を実現した”として例にあがる19項目を見て,「まだ,こんなことしてたの。」と驚く(呆れる)方もいるでしょう。しかし,別の事柄では逆になっているでしょう。  本書で紹介される“業務改善”の「前提(現状)」と「問題意識」,そして「手順」と「成果(結果)」,その「評価」と「展開(見通し)」を,現在の学校(環境・状況)に重ねて読み進めると,「これをしよう」「あれができる」…と,次々にアイデアが湧きだしてくることと思います。  内容を引用しながら。
 自然と前例踏襲が当たり前となり,さらに新しい業務も増えるため,業務内容はパンパンになっていきます。
 この点は,どの地域・学校にも言えるでしょう。学校行事をはじめ「昨年の通り…」で進むことが少なくないのが学校で,さらに○○教育が押し寄せてきます。  ここに切り込んでいくのに,
○子どもの肉体的,精神的負担になっていないか ○年間の授業時間内でできる活動であるか ○法令上守るべき内容を逸脱していないか ○教員の超過勤務になっていないか ○教員の負担過多で子どもと過ごす時間を奪っていないか ○教員の精神的負担過多及び人材育成の妨げになっていないか ○PTA活動が会員の肉体的,精神的負担になっていないか
の7つの視点をもって,見直しに取り組んだと記しています。  なぜ変われたのか,それは「ビジョンと組織」です。  このビジョンで「やっぱり管理職でないと…。」と,先生方が元気をなくしてしまいそうですが,そんなことはありません。  もし,管理職がリーダーになっていないのなら,“神輿に乗せてしまう”のです。校長先生が言ったという,
教師集団を動かすためには,5割を押さえることだ。賛同者が5割を超えた段階で大きなうねりができる。そうすれば物事は成し得る。そのためには,核心的な2割の理解者が必須となる」
がポイントです。  まず2割の賛同者,そこから5割の仲間に広がれば,それは管理職を動かす“うねり”となり学校が変わっていきます。  いかがでしょう。  そして,肝心なのは,PTA会長が述べている
 私たちが訴えたのは,「説明をきちんとしてほしい」ということでした。
の思いに応える「情報」なのです。  かつては情報発信の方法も少なく,機会も限られていました。今では,これまでに加えて,学校ホームページ,メール,SNSと多様な手段が選べます。  不断の“情報発信”が行われ,それが日常となることで,最強の応援団となり“同志”となってことでしょう。  学校改革,業務改善,働き方改革に取り組む,すべての学校,先生方に参考となる一冊です。  まず,何から始めますか。
  CONTENTS 序章 学校の仕事はここまで減らせる! 第1章 「できるわけがない」をやりとげた   大分大学教育学部附属小学校の学校改革! 第2章 なぜ改革できたのか? 第3章 あなたにもできる!   ここから始める学校改革 第4章 学校を変えるにはいましかない! あとがき
【関連】   ◇大分大学教育学部附属小学校   ◇西川純 (@jun24kawa)Twitter)   ◇株式会社 学陽書房 @gakuyo_syoboTwitter)   ◇学陽書房(教育) @gakuyosyobo.kyouikuFacebook)   ◇Zoomミーティング(Zoom)