集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『「笑い」の解剖』(中島隆信・著)

本1104。 良い天候でした。  新刊本の並ぶ書架に,「見たことがある。」と思う書籍がありました。家にある本と表紙が似ていますが,書名が違うような…。  書架にあった本は『おじいちゃんの小さかったとき』(福音館書店・刊)と『おばあちゃんの小さかったとき』(福音館書店・刊)でした。  奥付を見ると先月の発行の新刊ですが,内容を見ると“同じ”です。説明に「本書は1988年刊行の『父さんの小さかったとき』待望の改定版です。」とあり,似ていると思ったことを納得しました。  父さんが「おじいちゃん」に,母さんが「おばあちゃん」に変えて,“1950年代から1960年代ごろの子供達の暮らし”を今の子供達に伝えていこうとした本でした。  ちょっと気になる…。  図書館の書架で,「笑い」の文字(ことば)に引かれるようにして『「笑い」の解剖 経済学者が解く50の疑問』(慶應義塾大学出版会・刊)を手に取りました。  副題に“経済学者が解く”とありますが,著者が学者で,応用経済学を専門とすることは,読み始めて気づきました。  序章のなかで,
 笑いをテーマにしながら,“笑えない本”になっている点はお詫びのしようもないが,楽しく読んでいただければ著者としてそれにまさる喜びはない。
と,笑いで“研究”の表現(著述)がし切れなかったことを断っていました。  「知ってるようで本当はあまりよくわかっていない謎」を,著者の50の疑問としての知的探検です。  著者は,笑いに到達するまでにはいくつかのステップがあり,それを「笑いの“四段階説”」と呼んでいます。
第1ステップ 不自然さを認知すること 第2ステップ 不自然さをもたらす主体に親しみを持っていること 第3ステップ 不自然さに対する非当事者性があること 第4ステップ 不自然さから心の解放ができること
 この4つのステップで,「人はなぜ笑うのか」「笑いとはどのようなプロセスから生まれるのか」に迫っていきます。  また第3章以降では,
・笑いがビジネスになるための条件とは? ・芸人に女性が少ない理由は? ・落語は20分なのに漫才はなぜ5分なのか? ・三遊亭円楽の不倫はなぜ大事に至らなかったのか? ・落語にとっての笑いとは何か? ・漫才にはなぜ“ボケ”と“ツッコミ”が必要なのか? ・物まねはいつから笑いになったのか?
など,笑いのビジネスの謎を解き明かしています。  この本で笑えるかどうかは別にして,“笑いを楽しむ”のはいかがですか。
   目次 序章 なぜ「笑い」を解剖するのか? 第1章 総論 第2章 身近な笑い 第3章 笑いのビジネス:総論 第4章 笑いのビジネス:落語 第5章 笑いのビジネス:漫才とコント 第6章 笑いのビジネス:その他 第7章 笑いと健康 終章 笑いから何を学べるか あとがき 参考文献
【関連】   ◇「笑いと健康」啓発冊子大阪府