「彗星(ほうきぼし)」(つくで百話)
時折強めの雨が降る日でした。
台風19号(ハギビス)が「大型」で「猛烈」な勢力となっており,週末は大荒れの天候となりそうです。朝からニュースや情報番組は,進路予想とともに「厳戒態勢を!」「早めの対応・準備」とトップで伝えていました。
大人しく進んでくれるとよいのですが…。
『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「怪奇物語」から紹介です。
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彗星(ほうきぼし)
“祖母ありき,彗星を怖れつ共に見き”
ほうき星について,子供の時にうけた印象は怖いもの,気味のわるいものといった程度のものでした。祖母なども大変不思議がり,気味悪るがっていたように覚えています。尤も,この星については世界中の人々からも妖星,不吉の兆のようにみられておりまして,彗星が現れると,戦乱が起きるとか,飢饉があるとかいって怖れられておりました。
シーザーが暗殺に遇ふ前夜彗星の出現をみた彼の夫人は,これは凶兆であるとして,シーザーの登庁を思いとまらせようとしましたが,彼はききいれなかったということであります。
ほうき星は見た眼に無気味さを直感させるだけでなく,その本体自身が,吾々の地球を主体に考えてみても彼は太陽系の仲間ではなく全く無気味の侵入者であって,一度現れて再ぴ見られないもの,長い長い周期をもって再び接近するものであるなど,矢張り怪奇な出没であります。
ハリー彗星は七十七年の周期で現れるもので,私たちが少年の時に見たのが一九〇九年(明治四二年)でありました。それで,このつぎに見られるのは一九八六年(昭和六一年)ということになるようです。 (鈴木太富)
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