集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『負けるな、届け!』(こかじさら・著)

新幹線0831。 今日は,気持ちのよい風が吹く“秋の日”でした。  当地は心地よく過ごせましたが,不安定な天候で“大雨”の地域もあったようです。被災地の復旧とともに,新たな被害が起きないことを願います。  「いい話の図書館」で届いた図書です。  表紙に描かれた3名が,「GO」「ガンバレ」を掲げて“大きな声”で声援しいます。その声援にタイトルの文字が踊っているように見える『負けるな、届け!』(双葉文庫です。  「ポチッ!」と,主人公 小野寺かすみがフランスのボルドー郊外で行われる「メドック・マラソン」に申し込みをした場面から物語が始まります。  マラソンを続けてきたわけでも,特別な思い入れがあるわけでも,ないのに…。  25年勤続にもかかわらずいきなりリストラされてしまったのに…。  友人に誘われ東京マラソンの応援にいき,
「だから何なの…」という言葉はのみ込んだ。 「走りたくても走れない人が九割なのよ。もしかしたら,宝くじに当たるよりたいへんかも?」 「三十万人…。マラソンに参加したい人って,そんなにいるものなの?」  まず,そう安くない参加費を支払ってまで,42.195キロを走りたいという酔狂な人がそんなにいること自体,私には信じられなかった。
と思っていたのに,友人 高橋の“綿密な応援計画”に沿って応援をして,
 確かに楽しかった。愉快な一日だった。  42.195キロという距離の魅力と全力応援の面白さを,その日,私は高橋さんと一緒に満喫した。六分のペースで走り続けた川内さんもお見事だけど,高橋さんの応援が何しろ天晴れだった。こんな最強の女ともだちがいれば。どんなにしんどいときも何とかなる。
スイッチが入ってしまったようです。  高橋夏子さん,島崎あかりさん,平山貴子さん,亀山千秋さん,渡辺雄太郎さんと大樹くん,そして,柳沢…。  それぞれが,その人生を,それぞれに歩んでいます。  それが“ラソン”を通して描かれ,その“応援”に込められます。  落ち込んでいた自分が,メドック・マラソン(フルマラソン)を完走し,そしてマラソンを通してより絆が深まった仲間の存在に気付き,前向きな気持ちを取り戻します。
「千秋を団長とする最強の応援団!」 「確かに,お互い最強の応援団長かも」 「でしょ。最強のエールを送り合える仲間がいるって,最高にしあわせだよね」  潮風に吹かれながら私は思った。  人生は走り続けなければわからないことだらけだと。  だから,人は走り続けるのだと。
 「人を応援すること」を通し人生を見つめ直していく連作短篇集です。  本書から応援を受け,元気が出てきます。  そして,誰かに“応援”を伝えたくなる一冊です。 【関連】   ◇東京マラソン   ◇Site officiel du Marathon des Châteaux du Médocメドック・マラソン) 【「いい話の図書館」 これまでに紹介した本】   ◇『気象予報士のテラさんと、ぶち猫のテル』(志賀内泰弘・著)(2019/08/18)   ◇『本のエンドロール』(安藤祐介・著)(2019/08/10)   ◇『Life(ライフ)』(くすのきしげのり・作/松本春野・絵)(2019/06/30)   ◇『勇者たちへの伝言』(増山実・著)(2019/05/29)   ◇『スタートライン』(喜多川泰・著)(2019/05/22)   ◇『眠る前5分で読める 心がスーッと軽くなるいい話』(志賀内泰弘・著)(2019/04/10) 「いい話の図書館」とは…本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。  そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。   ◇いい話の図書館【申込】   ◇小林書店さん (@cobasho.ai)Instagram写真と動画)   ◇志賀内 泰弘Facebook