集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

高原の夏。『心。』(稲森和夫・著)

サギソウ0729。 梅雨明け2日目。  朝は霧に覆われ“真っ白”でした。夏の朝によく見る景色ですが,それとは違う「雨かな…」と思わせる霧でした。  徐々に晴れてきましたが,湿度の高い蒸し暑い日になってきました。  青空になりましたが,10時半ごろ急に強い雨が降り出しました。そこから1時間ほど雨でした。  雨雲レーダーで見ると当地で発生した雨雲が狭い範囲に強い雨を降らせてたようです。  ビックリです。アマガエルが喜んでいました。  梅雨明けが遅くなりましたが,湿原では夏の花が咲き始め,サギソウも真っ白な花を咲かせていました。  美しく可憐な花です。  いろいろな楽しさ,楽しみ方のある,高原の夏です。  久しぶりに稲盛氏の本を読みました。書店に著作が並んでいるのを見かけますが,『生き方』から15年を経て出版という『心。』(サンマーク出版・刊)です。  出版社のサイトでは,
 ミリオンセラー『生き方』待望の続編が、15年の時を経て刊行!  すべては?心?に始まり、?心?に終わる。  京セラとKDDIという2つの世界的大企業を立ち上げ、JAL(日本航空)を?奇跡の再生?へと導いた、当代随一の経営者がたどりついた、究極の地平とは?  これまで歩んできた80余年の人生を振り返り、また半世紀を超える経営者としての経験を通じて、著者がいま伝えたいメッセージ――それは、「心がすべてを決めている」ということ。  人生で起こってくるあらゆる出来事は自らの心が引き寄せたものであり、すべては心が描いたものの反映である。それを著者は、この世を動かす絶対法則だという。  だから、どんな心で生きるか、心に何を抱くかが、人生を大きく変えていく。 それは人生に幸せをもたらす鍵であるとともに、物事を成功へと導く極意でもあるという。  つねに経営の第一線を歩きつづけた著者が、心のありようと、人としてのあるべき姿を語り尽くした決定版。 よりよい生き方を希求するすべての人たちに送る、「稲盛哲学」の到達点。
と紹介されています。  稲森氏に学んできたり,著作を読んでいる人には“知っていること”ばかりかもしれません。そして,『京セラフィロソフィ』などと比べれば,とても読みやすい内容と記述です。  プロローグから第5章まで65項目(見出し)で,著者の歩みと学び,気づきが語られていきます。  これまで稲森氏のことを良く知っていたり,著作を読んでいる方には,物足りないかもしれませんが,初めての人やあまり縁のなかった方には,稲森氏の“心。”がすっと入ってくるかと思います。  今,社会全体が「働き方改革」に取り組んでいますが,そこには“労働”の時間であったり条件であったり,環境などが“数量的”に取り上げられています。  それは大切なことで,欠かしてはいけないでしょうが,別の視点のあることが抜けているような気がします。  本書で述べられていることは,その“別の視点”に気づかせてくれる気がします。  これからの働き方改革」を考えるヒントがありそうです。  それは,大切な“心。”であり,“生き方”だからです。  読書メモより
○ 人生の目的とは,まず一つに心を高めること。いいかえれば魂を磨くことにほかなりません。 ○「坊やには,今日のお参りで,仏様のお許しが出た。今後はもう来なくていい。ただ,これからは毎日,『なんまん,なんまん,ありがとう』という念仏をかならず唱えて,仏様に感謝の思いを伝えるようにしなさい」 ○ 経営をするときの「エンジン」となるものが経営者の私利私欲,功名心や名誉心のみにとどまっていたら,一時はうまくいっても,永続的に会社を発展させつづけることはできません。  動機とは,いわば物事を進めるときの「土台」ともいうべき(略) ○ このように,心に描いた思いを原動力にしながら,私たちの文明は長足の進歩を遂げてきたのです。  いま私たちは,この思いの大切さをどこかに置き忘れてきてしまったのではないでしょうか。頭で“考える”ことばかり重視され,それらを生み出す根っこである“”と,それがもたらす“思い”が軽視されてしまっているように思えてなりません。 ○「心にとどめておいてもらいたいのは,この判断基準が『会社にとって』正しいかどうかではなく,『私にとって』正しいかどうかでもなく,『人間として』正しいかどうかだ。だから,経営者である私が(略) ○ 決定的に人生を大きく変える要素があるとしたら,それは「考え方」ではないかと思いいたったのです。 ○「考え方×熱意×能力」で示される「人生と仕事の方程式」においては,熱意と能力はゼロからプラス100までの数字しかありませんが,考え方はマイナス100からプラス100まである。それが掛け合わされるというところがミソで,どれほど熱意や能力が立派でも,考え方がマイナスならば,すべてがマイナスになってしまいます。
   目次 プロローグ 第1章 人生の礎を築く。 第2章 善なる動機をもつ。 第3章 強き心で成し遂げる。 第4章 正しきを貫く。 第5章 美しき心根を育てる。