集団「Emication」別館

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『池田主鈴寛親 ◆山婦ミ乃記 ◆松山ごゑ記 ◆一の宮満つ理』(齋藤彦徳・著)

図書0710。 日中,雲を厚く感じることがありましたが,日差しもある晴れの一日でした。  先日依頼された○○をしました。“自分ごと”になっていないので…。まずいなあ…。  先日,地域の郷土史家 齋藤彦徳氏が『池田主鈴寛親』を出版されました。  一昨年の著書『三河国軍物語』(2017/10/19掲載)に続いて,古文書を読み解いたものです。  本書は,『船長日記』を著した幕末の新城城主菅沼定邦の用人 池田主鈴寛親が,その4年前に綴った随筆3編が読み解き,解説されています。  「ごあいさつ」は,
 本書『山婦ミ乃記』との出会いは昨年春のことであった。それは和綴じ本のB4版コピーで表紙に「新城 池田主令寛親/山婦ミ乃記/松山ごゑ/一の宮満つ理」と記されていた。 (略) 領地内最高峰の霊山本宮山に登山した折の随筆文で,各所に和歌を交えて後世の我々の我々に当時の様子を余すところなく伝えようとする心情が篤く伝わってくる格調高い名文である。
と始まり,古文書との出会いと,この随筆の魅力が語られます。  本文に入ると,見開き右ページに「山婦み能記(やまふみのき)」のタイトル,左ページに“原文写し”が表れます。  「これは辛い…。」と思いましたが,次ページから「読み下し+ルビ」となり,「何となく読めそう。」です。でも…。  この形式で,「松山越の記(まつやまこえのき)」「一宮満津梨(いちのみやまつり)」と続いていきます。  ちょっと読み飛ばして,「現代文 山婦み能記 松山越の記 一宮満津梨」を開くと,
 ここに現代文コーナーを設けたのは,「凡例の三」で示したように読者の層を高校生以上に設定し,さらに「凡例の四」で示したように,読者諸氏に理解しやすく,楽しく読破していただきたいとの思いからである。  起稿当初は,古文書を上段に記し,下段に読み下し分を設けたいと考えたが,古文書自体が歳月を経て…
と始まり,「現代文」の項(章?)が設けられた願い,本仕様をとった意図が述べられています。  ここは,面白く読み進めます。  この項(章?)は,古文書に記された“本宮山・戦功の地・流鏑馬への紀行”を現代文にしたものではなく,“著者が寛親の随筆を紀行している”ものであるように感じました。  山婦み能記・松山越の記・一宮満津梨,それぞれに描かれる景色と句,そして人に,当時の暮らしと今を重ねながら“旅できる”書籍です。  本書の写真は,三篇を読み解きながら,著者がその地へ足を運び撮られたものです。その写真が“当時と今”を結んでくれています。  ぜひご一読を。そして,その地へ足を運んでみませんか。
   もくじ 発刊に寄せて (岩崎和夫) ごあいさつ 凡例 目次  一、はじめに  二、原文著者池田寛親と関係者  三、写本著者冨田群蔵と関係者  四、本文(ルビ)  五、現代文   (一)山婦み能記   (二)松山越の記   (三)一宮満津梨  原文著者池田寛親関係略年譜  推定ルート図(見開き)  参考文献  おわりに 奥書
【関連】   ◇『三河国軍物語』(集団「Emication」 2017/10/19)   ◇『「池田主鈴寛親」ひも解く』(東日新聞)   ◇幕末の奥三河伝える書籍「池田主鈴寛親」発刊(新城・勝手に応援隊)   ◇中日新聞(7/9)
新聞0710。