集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

塩瀬総本家。「朝日様」(つくで百話)

花0625。 朝から青空が広がり,天気がよく暑い一日でした。日中,外気温計が34度を示していました。  暑い夏がやってきました。  先日,「あんこ餡子)」をテーマにしたテレビ番組を見ていたら,塩瀬総本家の川島英子会長が登場し「あんこ」のことを話していました。  新城市の“塩瀬”と縁があり,閉校した鳳来西小学校では「西っ子饅頭(塩瀬饅頭)」を子供達が作り,来校者にふるまったりしていました。川島会長も来校されたことがあります。  川島会長のお元気な姿を拝見して,以前お聞きした「塩瀬総本家の家訓」を思い出しました。
     塩瀬総本家の家訓 ◇今日一日の事  一,今日一日三ツ君父師の御恩を忘れず不足を云ふまじき事  一,今日一日決して腹を立つまじき事  一,今日一日人の悪しきを云はず我善きを云ふまじき事  一,今日一日虚言を云はず無理なることをすまじき事  一,今日一日の存命をよろこんで家業大切につとむべき事  右は唯今日一日慎みに候。  翌日ありと油断をなさず,忠孝を今日いち日と励みつとめよ。
 また,渡辺崋山の遺訓を教訓として,次のことも家訓としているそうです。
◇崋山先生の商人に与へたる教訓  一,先づ朝は召仕より早く起きよ  一,十両の客より百匁の客を大切にせよ  一,買人が気に入らず返しに来たら売る時よりも丁寧にせよ  一,繁盛するに従つて益々倹約せよ  一,小遣は一文よりしるせ  一,開店の時を忘るな  一,同商売が近所にできたら懇意を厚くし互に励めよ  一,出店を開ひたら三ヶ年食料を送れ
 商家の家訓ですが,子供も大人も“人の生き方”として大切にしたい言葉が並んでいると思います。  みなさんのお宅の家訓は?  『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。 ********     朝日様  嶋功さんの屋敷の南方約二百メートルくらいのところに小高く聳えている山があります。昭和四十六年の現在では,数十年生の雑木で被われておりますが,この山の頂に朝日様と呼ばれている石碑が建ててあります。およそ一メートルの石垣の上に,巾一メートル,高さ一メートル五〇,厚さ二〇センチくらいの大きな石碑です。  この朝日様の真正面から,朝日が昇ることになっております。碑面に,細々と文字が刻みこんでありますが,何百年もの長い間,風雪に曝されておりますので,だいぶ風化して読みとれませんけれども,日天,月天などの文字が書いてあります。  嶋家では,毎朝男衆が,水と線香をもって,この朝日様にお詣りしておりました。旦那様は,時々参拝されるだけでしたが,男衆は雨の日も風の日も,欠かさずに参拝することが嶋家の慣習となっておりました。ここにも太陽崇拝という民族性の一端がうかがわれます。村の人たちも朝日様といって崇めており,時々参拝しておりました。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【関連】   ◇御菓子老舗 塩瀬総本家   ◇12.19 西っ子饅頭作り(2011/12/19 鳳来西小学校)   ◇6.27 ふるさと講演会?(2009/06/27 鳳来西小学校)