『本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法』(茂木健一郎・著)
暑い日でした。
みなさん,元気に過ごしていますか。
書店の書架で「読んで」と“聞こえて”きた『本当に頭のいい子を育てる 世界標準の勉強法(PHP新書)です。
茂木氏は,これからは“探究学習”が重要・必要だと,強く訴えています。
これまで,そして今も「記憶力・知識量」が重視され,受験の成否も,この多少によって決まっています。
しかし,それもコンピュータには敵いませんし,AIの登場で,さらに“差”が広がりました。
しかし今後,今までのような「いい大学に入れば一生安泰という社会がいつまで維持できるでしょうか? おそらく,人工知能の発達により,そう遠くない未来には今の教育も会社の在り方もすっかり様変わりしているでしょう。AIに“負けない力”(?)は,「思考力・判断力・表現力」が肝心であり,それには「地頭の良さ」が試されるといいます。 地頭力は,「既存の知識にとらわれず,自分の頭で考えられる力や自分なりの切り口で問題を探究できる力」のことです。 この地頭を良くするのが,探究学習なのです。
ここで大事なのが,ただコーヒーのことを調べるだけでは調べ学習(図書館やインターネット,聞き取りなどをして結果をまとめること)と何ら変わりはないということ。探究学習とは,調べて知識を深めていく過程で,新たな疑問が生まれ,それがどんどん課題の本質に迫っていくものであるべきです。茂木氏は,探究学習を「能動的な学習」「答えを導き出すための力をつける学習」と定義づけています。
親は子どもに広い世界を見せてあげてください。 いろんな人に会う機会をつくってあげるのも大人の役割です。読んでいくと,“同じようなこと”が何度も出て,「あれっ」と感じることもありますが,“大切なこと”との訴えです。 子育て中の保護者はもちろん,教員,会社員,大人…,これからを生きるすべの方にお薦めの一冊です。 教員のみなさんには,あわせてこちらも。 メモ
○ ところが,探究学習はテストの点数のような明確な基準がないため,評価をつけるのが難しい。そこで自分の基準を見つけて,自分で批評していくことができれば,それは一生の宝物になります。 ○ 2016年1月の世界経済フォーラムの年次リポートによると,2020年には次のようなスキルが必要だといわれています。 一.複雑な問題解決力 ニ.クリティカルシンキング(多角的に考え,適切に分析する思考力) 三.想像力 四.マネジメント力 五.人間関係調整力 ○ 25〜65歳の一六万人を対象にして行われた「国際成人力調査」のデータを分析しました。 その結果,「十六歳の時点で家に紙の本が何冊あったかが,大人になってからの読み書き能力,数学の基礎知識,ITスキルの高さに比例する」ことがわかりました。そのデータを分析した研究者は… ○ ここでこそ人間の思考力が発揮されます。 ここで求められる能力は,競合相手のいない新しい市場(ブルーオーシャン)を切り開ける思考力です。(略) これからは,既存のルールの中で高い成績をあげる人ではなく,自らルールをつくっていける人が必要とされます。
目次 はじめに 第1章 脳が喜ぶ究極の勉強法―“探究” 第2章 超進学校ほど、探究を実践している 第3章 「本当に頭のいい子」の親が家庭でやっていること 第4章 「超地頭力」を鍛える五つの習慣 1.探究心の鍛え方 2.続ける力(=グリット)の鍛え方 3.集中力の鍛え方 4.記憶力の鍛え方 5.思考力の鍛え方 おわりに【関連】 ◇茂木健一郎 (@kenichiromogi)(Twitter) ◇茂木健一郎 公式ブログ Powered by LINE 【おまけ】 ◇今日の全国観測値ランキング(気象庁)