集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『道徳ってなに?』(内田樹・著)

花0513。 強い日差しはなく,雲の目立つ空でしたが,晴れの一日でした。  朝,「相談があって…。」と父を訪ねてみえた方がありました。留守にしていたので,お話をうかがいました。  用件をお聞きした後,いろいろ話をしました。若い頃の仕事,今のようす…。  「車がなくては,何もできない。食べることもできない。…」自動車に乗って来て,運転して帰って行かれました。  90歳,…。お元気ですが…。  図書館の書架に“道徳”の本が並んでいました。教員に向けた書籍だけでなく,子供や保護者を読者とする本が多くありました。  道徳が“教科”となり,教科書の使用もはじまり,関心が高まっているからでしょう。  そのなかに,大型本の「シリーズ・道徳を考える」がありました。絵本と言うには文章が目立ちますが,子供に向けた絵と内容でした。  著者を見ると,内田樹氏でした。『街場○○論』といった話の多い論客・学者ですが,子供向けの本は珍しく思い,『道徳ってなに? (道徳を考える)』(かもがわ出版・刊)を読みました。  この本のついて,「はじめに」で,
 みなさん,こんにちは。内田樹です。  道徳の本を書くようにたのまれました。  なにを書いたらよいかわからないままに,「うん,いいよ」と引き受けてしまいました。 (略)  きっとそれは,道徳というのがそれだけ手ごわい言葉だからだと思います。  かんたんにあつかうことをゆるさないこの「手ごわい言葉」について,これから考えることにします。
と,読者の子供達と“一緒に考える”ことを呼びかけています。  学校でいう「道徳」,大人がつかう「道徳」,社会の「道徳」と,同じ言葉で言われていますが,それが“同じ”か問われると,同じこともあるし違うこともあり,分からなくなってきます。  それでも,「道徳」という言葉を使ってしまいます。  最初に,「神さま」の意味を問われ,「道徳」の言葉の意味を辞書で調べ,「道徳的なふるまい」に話が進みます。  そして,それに続く「うすっぺらな道徳と厚みのある道徳」で,
 どれもそれぞれの仕方で「正しい道徳」なのです。ただ,そこには程度の差がある。その程度の差をもたらすのは,こう言ってもよければ,一人ひとりの成熟の差です。  (略)  僕はそう思います。
と述べ,「パート2」で具体的な場面から“厚みのある道徳”へ考えを巡らせます。  最後の『僕の「まとめ」』まで,いろいろな“考える”ことに向かい合う一冊です。  漢字にはルビが振られています。お子さんと一緒に「道徳」を考えてみませんか。
   もくじ パート1 「道徳」という言葉について考えてみよう  ・意味がわからないままつかわれる言葉  ・「道徳」という言葉の意味  ・うすっぺらな道徳と厚みのある道徳 パート2 具体的に考えてみよう  ・満員電車で席をゆずるのは、だれ?  ・歌にうたわれないヒーロー パート3 さらに考えてみよう  ・だれかがしなければいけないこと  ・だれが最後の席をゆずるべきか? 僕の「まとめ」 用語辞典 さくいん
【関連】   ◇道徳の本(予告編)内田樹の研究室)   ◇内田樹 (@levinassien)Twitter)   ◇道徳教育文部科学省