集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『読書する人だけがたどり着ける場所』(齋藤孝・著)

花0415。 朝の一言。「寒〜い!」  日中の声。「寒〜い!」  夕方のつぶやき。「寒〜い!」  天候は晴れているのに,冷たい風が強く吹きました。  桜が咲くころに寒さが戻ると“花冷え”と言っていますが,今年の寒さは,立春後の“寒の戻り”の言葉が似合いそうな気候です。  いつまで続くのかな。  雪や雨が少なく,「節水」のニュースも聞かれるようになっています。  これから先が例年の気候では埋め合わせができなそうですが,“異常気象”は困ります。  さて,これからの天候は…。  以前(かなり前?),書店のランキング本の棚にあった『読書する人だけがたどり着ける場所』(SB新書)を読みました。  「まえがき」で,学生生活実態調査で53.1%が1日の読書時間が「ゼロ分」と回答したことあげ,それに驚き,それを残念なことだと“読書のすすめ”を述べています。  ネットの書評を見ると,
○読みやすい。古典読みたくなる。音読しよう。リアルに感じよう。最後の著者が自分の頭に入ってきて、行動に影響するというのは、最近感じた。人間失格を読んだことである。(略) ○私は面白くなかった。私は読書大好きだがただの手段でもあり、違うことから学べば無理して本を読まなくてもいいと思っている(略)読書しない人に読書しよう!と言ってるのだけど、序章からこんな説教臭くて本読みたくなるか?
のような良否が入り混じっていました。
 わざわざ本を読まなくてもネットでいいじゃないかという意見も見当違いなものではありません。  しかし,ネットで読むことと読書には重大な違いがあります。それは「向かい方」でしう。
と,「まえがき」で,読書の価値や意味に誘います。  先の書評について“見ると”と書きましたが,齋藤氏の述べていることと同じ思いです。  “良い”との評,“よくない”という評,いずれも本とのコミュニケーションをしており,クリックで別の記事にいくネットとは向き合い方が大きく違います。  本書を,若者に“楽しんで”読んでほしいと思いながら読み進めました。  第3章からの「〜本の読み方」では,それぞれ“楽しさ”を述べています。そして章末に,取り上げた図書の“紹介”が載っています。すべてを“若者”が読むのは難しいでしょうが,気になったもの1冊から手に取るとよいかと思います。  文庫本が多いのは,若者が手に取りやすいものを選んでいるのかもしれません。  第7章では,最近話題になった渋沢栄一氏の本も取り上げていました。この本から,どうですか。  みなさん,本書を読みましたか。 【メモ】
○ 読書によって人生観,人間観を深め,想像力を豊かにし,人格を大きくしていくことができるのです。 ○ では,その浅い・深いはどこから来ているのでしょうか。  それは一言で言えば,教養です。(略)  単なる「物知り」は「深い人」ではないのです。教養が人格が人生にまで生きている人が「深い人」です。 ○ どこをどう潜るのか,というところは人によって差ができるでしょう。まずは3回クリックするだけで深くはなりますが,もっともっと知識を深めるには潜る能力が必要なのです。  その「潜る能力」は,読書によって鍛えられるというのが私の考えです。 ○ それを放置して読み進めてしまえば,どこではっとしたか,なぜはっとしたのか忘れてしまうもの。だからメモしておくことをおすすめします。直接書き込むのでも,メモ帳でも何でもいいと思います。そのメモを手掛かりに,あとからまた思考を深めていくことができます。 ○ ところが,E=mc2にも驚かない人もいます。  「だから何?全然わからない」と切り捨ててしまう人。(略) (略)などと行って深みに入っていこうとしない。  それは,失礼ながら「無教養な人間のやる無作法な態度」というものです。
   もくじ まえがき 序章 なぜ,いま本を読むのか 第1章 読書をする人だけがたどり着ける「深さ」とは 第2章 深くなる読書 浅くなる読書 何をどう読むか 第3章 思考力を深める本の読み方 第4章 知識を深める本の読み方 第5章 人格を深める本の読み方 第6章 人生を深める本の読み方 第7章 難しい本の読み方 参考文献
【参考】   ◇第54回学生生活実態調査の概要報告全国大学生活協同組合連合会