集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

文集「こうやまき」から『掲載作品の解説と批評』

花0329。 曇り空の一日でした。風が冷たく寒い朝でしたが,日中は“開花が進む”ことを予感する暖かさになりました。  今夜,明日,明後日と,各地の名所は,花見の人出で賑わうのでしょう。週末は寒気が入っていくることも予報されています。出かける方は,風邪など召されませんように。  今日は休みで,ゆったりと過ごしました。  テレビを眺めていると,Eテレで『学びが変わる!教育最前線2019』が流れてきました。  平日の朝9時40分,誰が見ている,誰に見てもらおうとしたのか…。  “新しい教育”について,案内役の中山秀征さん,藤本美貴さん,ゲストの工藤勇一さん(千代田区麹町中学校長)の3名で説明(解説)されていました。  保護者の方が見やすい夜の時間帯で放送し,多くの方に見ていただきたい内容でした。  これまで掲載してきた文集「こうやまき」(1970年・刊)の作品は,前回の「むかしの作手村役場」が最終でした。  今日は,編集責任者による「掲載作品の解説と批評」と,教員会郷土部会長の「おわりに」を紹介します。 ********    掲載作品の解説と批評  「作手村のむかし」には,村に伝わる民話や伝説,地名や人名にまつわる昔ばなしなどを集めました。わたしたちの祖先があたため育てて来た,人間の美しさ,人間の悲しさ,人間の尊さが,しみじみと心を打ちます。わたしたちも,誇るべき文化遺産として守り育てて,次代に伝えたいものです。しかし,そのためには,現代に生きる者の新しい解釈や批判が加えられなければなりませんが,そういう姿勢で書かれた作品が少なかったことが残念です。  「村の行事」の中では,失なわれて行きつつある民俗的な風俗とか民間行事に関する作品をとりあげたかったのですが,思うようなものが集まりませんでした。農村の生活も急速に都会化してしまって,もうそんな行事や風習は,わたしたちの生活の中から消えてしまったのでしょうか。それらは,古くさいとか無意味だといって,捨て去ってしまっていいものでしょうか,そこにこそ,わたしたち祖先の知恵,つまり長い人間の歴史が作りあげて来た生活の知恵があるように思えてなりません。こうした作品をもっともっと発掘したいものです。  「生活の移り変わり」では,生活のさまざまの場面に見られる変遷にスポットを当ててみました。ただ単に実態を並べたてただけでなく,自分の目や耳や手で確かめ調べた作品か多く出たことは,大きな収穫でした。「お米つき」「ランプの話」のように,あれこれと欲ばらずに焦点をしぼって書く態度には好感が持てます。  「父母が子どもの頃」は,書くことはもち論のことですが,それを書くための,家庭内での話し合いにもねらいがあったのです。テレビやレジャーに主役の座を奪われている家庭のだん楽の時間を,祖父母や父母の昔語りの場に返したいものです。顔を合わせ肌をふれあって,耳からはいることばこそ,ほんものの愛情のことばです。 ********  いかがですか。  今年も,多くの学校文集が発行されたと思います。そこに掲載した児童生徒の作品について,学校(先生)からの「解説や批評」が載っているでしょうか。  そして,そこに「〜が少なかったことが残念です」という内容(姿勢)の言葉がありましたか。  おそらく載せていないと思います。ひょっとしたら,指導もないかもしれません。  「褒めて伸ばす…」ことに異論はありませんが,それは「批評する。指摘する。…」といった指導をしない(否定する)ことではないと考えます。  お父さん,お母さん,お子さんの学校文集には「解説や批評」は掲載されていますか。 ********    「あとがき」  ちり,芥のように,心にとめられることもなく,捨てさられ,忘れられていく,くさぐさのなかに,明日のいのちを育む何ものかがあることを思うとき,古い伝統のもとに,ながい歴史を,静かに生きつづけてきた郷土作手村,そこに新しい時代の波のうちよせをきき,躍進の鼓動のたかなりを感ずるとき,私たち作手村教員会郷土部会の会員は,ここで今一度,郷土作手村をいろいろな角度からながめなおし,その結果を,それぞれの部門にわけて,まとめあげたいと考えてきました。  それが子どもたちの学習に役立ってくれるなら,村民のみなさんの郷土への最認識につながり,更に,深い郷土愛へのはしわたしになってくれるなら,また広く地域の方々に,作手村をより深く理解し,愛していただけるきっかけともなってくれるなら,と希いつつ。  やっと,子どもたちの眼をとおしてつかんだ,作手村風土記とでもいえる「こうやまき」第一集をおとどけすることができることになりました。会員一同心からうれしく思っています。村教員会の諸先生のご協力と,この計画に深いご理解と暖かいおカ忝えをくださいました村教育委員会に深い感謝の意を表します。  「こうやまき」はますます大木になりたいとねがっています。みなさんのご支援,ご指導をおまちしています。    一九七〇年三月一五日 ******** 【関連】   ◇学びが変わる!教育最前線2019NHK for School)   ◇NHK「すくレポ!」