「父や母の戦争のころ」《父母が子どもの頃 7》
暖かい日になりました,
午前中に書類の作成ができ,午後はAmazonビデオで,おすすめに出てきた『くちびるに歌を』を,全編を観てしまいました。
登場する,柏木ユリ(新垣結衣),仲村ナズナ(恒松祐里),桑原サトル(下田翔大)の言葉や作文に,心が響きました。
ゆったりとした一日でした。
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「父母が子どもの頃」の一話です。
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『父や母の戦争のころ』 (文・作手中1年 女子)
今から,二十五年前あのおそろしい戦争が,ありました。私はまだ生まれてなかったから,戦争のおそろしさなんて,ぜんぜん知りはしません。
でも,おとうさんやおじいさんはよく知っています。私のおとうさんは,運よく戦争にいかずにすんだと,いうことです。戦争なんてだれでもしたくはないのです。
それでも,地球のどこかでは,戦争をしていると,思うととてもおそろしくなってしまいます。
おとうさんの話ですが,戦争当時は食物も数すくなく,今のようにぜいたくな食べものが,ほしくてもとても食べられなかったそうです。ですから,今はあまりありませんが,水あめなどをよくかって食べたそうです。
おとうさんは,よく私たちにいいます。
「今の子どもはぜいたくだ。」
こんなことをいわれたことを皆一度はあると思います。それに,私のおとうさんは,昔の歌がだいすきです。きっと,戦争当時のことを思い出すのかもしれません。テレビでそのころの歌をやれば必ずみせてあげます。私のおとうさんだけではないと思います。どこの家でもそうだと思います。
おとうさんやおかあさんは,私たちにはわからない苦労をしていると思います。そして,また今度あのおそろしい戦争がはじまらないようにと,心のどこかで願っているでしよう。
だから私ははやくおとなになって,おとうさんやおかあさんのような人になりたいと思います。
私の願いは,私自身でいえばたくさんあります。
一ばんに私のなりたいものになれること。二ばんめには苦労したおかあさんやおとうさんが,長生きしてもらうこと。それと,戦争やそのほかのおそろしいことが,おきないことです。
私は,平和ということばがすきです。もっともっと,そのことばがすきになると思います。
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「平和」を感じることは…。