「大寒」。昔の中学生が綴る「朝」。
例年なら“雪”でしょうが,冷たい小雨の降る,寒い一日でした。
今日は,二十四節気の「大寒」です。「小寒」から「節分」までが“寒の内”で,一年の気候のなかで“最も寒い季節”です。
暦の上での“寒の内”ですが,実際の気温も最も低くなる時期です。
こうした寒い時期にこそ「稽古を!」と寒稽古に取り組む方々もみえると思います。また,この寒さを生かして,寒天,凍り豆腐,酒,味噌などが仕込まれます。
“寒さを生かす”暮らし,してますか。
年度末が近づくと,いろいろな“まとめ”が作成され,冊子になったりWebで公開されたりします。
そうした一つに,学校の「文集」があります。
子供達の「書き溜めた中の一作」や「このための書き下ろし」,「受賞作」など,それぞれ編集方針に合わせてまとめられます。
「今の子供達の姿」を見ること,感じることができると思います。
そうした文集に載った“昔の中学生”の文章です。
大好きな“朝”を描いています。
朝(中3 女子) 「朝」。何と素敵でしょう。夕べまでの汚れた空気が,どこかへ流れ去って。 私は朝が大好きだ。 田んぼ,畑あらゆる所に霜がおかれて,眩しいような太陽が上り始める。あちこちの煙突からは,微かに煙が漂ってくる。時々,のら犬が道を横切る。山はいきいきと希望に満ちたまなざしで,平地を見おろしている。 このような朝,一人で歩くのが私は好きだ。堅く凍った地面を,カラコロと下駄を鳴らし,北風に髪をなびかせながら,一人で学校へ行く。道々会う人の息が白く美しい。 大分黄くなった夏みかんを眺めながら,耳を澄ますと,遠くから電車の音が響いて来る。話をしている人の声がなぜかはずんで,近くにいるように聞こえて来る。 桑畑を通りかかると,時々桑の葉がかさかさと,さびしげなリズムで散って行った。 遠くの丘の上を,早起きの子供が二人手を振りながら,草の葉がくれに見えかくれして走って行った。 学校へ行く道々,私は毎日この景色を見ずにはいられない。何となくこの大自然が自分だけのもののような気持ちがしてくる。 「ああ 朝だ」。朝はなんと希望の多いことだろう。 私は深く朝の空気を吸い込んだ。どんな景色が見えますか。