「五十年も前のお正月」《村の行事 16》
“秋晴れ”の一日でした。
午前中,地区の神社で大祭を前にした掃除と準備がありました。
毎年,この掃除では“大量の落ち葉”を片付けますが,今年は“太い枝”もたくさんありました。台風によるものです。
出水で沢が洗われている場所もありました。
社にかかる樹木の伐採も行いました。大木でしたが,手際よく安全に作業が進められ3本の大木が倒されました。景色が変わりました。
みなさん,ありがとうございました。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
先日,大晦日のようすを書いた作文を紹介しました。その翌日は元旦・正月です。
小学1年の子が聞いた「50年前」(1920年のこと)の正月の話です。
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『五十年も前のお正月』 (文・巴小1年 男子)
一月一日のあさは,かどまつのはの上へごはんとおもちをあげました。それからうちじゅうの人がいっしょに,おぞうにをいただきます。そのときには,こよみのあきのほうをむいてたべました。
このおぞうにをたべおわると,お正月になったようなきがしたそうてす。
そのあと,おとうさんからおこづかいをもらいましたが,一月一日はおかねをつかうものではないというので,この日はおかねをつかわなかったそうです。そのかわり二日には,あさからたのしみにしていて,ほしいものをうんとかいました。男の子はたこやこまを,女の子はまりをかって,それをつかってあそんだのだそうです。
おばあさんは,きれいなきものやはんてんをつくってもらって,それをきてあそびにいくのが,なによりうれしかったそうです。
十五日になると,小正月といって,お正月とおなじようにおもちをつきました。十五日のあさとしをとって,十六日のあさまでなにもしませんでした。
「おおさわぎをすると,おおかぜがふくから,きよう一日はしずかにあそべ。」
といわれたそうです。
それに,この日に女の子があたまのかみをとくと,たんぼへもみをまいたとき,もみがひととこへあつまってくしでかみのけをといたようになるから,かみをとくなともいわれたそうです。
十六日のあさは,あずきをいれたおかゆをにて,かみさまをまつりました。それをうちじゅうでいただいてしますと,
「がきのくびもゆるむ日」
といって,一日じゅうなにもしないであそびました。
むかしのお正月は,たくさんあそぶ日があったので,ハスがなくて,どこへいくにもあるいていったが,おきゃくにいってもゆっくりできてたのしかったそうです。
お正月もかわりました。
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平成最後の正月は,このように過ごしませんか。
いかがですか。