集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「昔の歌と子どもの楽しみ」《村の行事 14》

花1020。 よい天気が続きます。

 しかし,昨日も“不安定な天候”の地域もあったようで,秋晴れが続くというほどではありません。

 今日・明日を使っての催しや祭りも多いと思います。参加のみなさんが笑顔で過ごせるといいですね。

 文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。

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   『昔の歌と子どもの楽しみ』 (文・作手中1年 女子)

 お正月やお盆と言っても,今の私たちには特別な興味はないけれど,おばあさんの子どもの頃はとても楽しみだったそうてす。なぜなら,昔はテレビもラジオも,雑誌もなく,ふだんはもめんの着物を着て,子もりやまりつきをして遊んでいたからです。

 子守りの時には,

・坊やよい子だねんねしな。お里のみやげに何むらった,でんでんたいこにしようの笛

・お宮まいりにゃ何と言ってまいる。一生この子のまめならにゃ。

などと歌ったそうです。また,まりつきの時には,

・みつななやっこ とんで…

を歌いながら遊んだそうてす。

 ところが,お正月には,げんろくそでの着物を着て,かっぽんげたでお宮まいりをしたりした。食べ物は,さけやかずのこなどのごちそうを食べた。お盆にも,正月と同じように,きれいなゆかた,げた,せんすなどを買ってもらったし,おこわをうむしてだんごを作ったり,川ばたで,おしょろめしをたいて,かきの葉で食べたりした。お盆に子どもが歌ううたは,

・盆にゃおいでよ,七月はおいで,死んだ仏も盆にゃくる。

・木そのおんたけ夏でも寒い,はかませやりたいたびそえて

などを歌って遊んだそうです。

 そして,最後に,おばあさんは,

「昔は,お正月とお盆の時しか,ごちそうもなかったし,ほしい物も買ってもらえなかった。盆と正月だけは,下着からはき物まで全部そろえてくれた。」

と言った。私は,昔と今では,てんで問題にならぬ位い遊びも,食べ物もよくなったなあと思うし「盆や正月が楽しみだ」と言った意味がわかった。

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 現代は「楽しいこと」「いいこと」が“いっぱい”あります。

 でも,昔の子が持っていた“幸せ”を知らずにいる子供が多いように思います。

 「○○が楽しみ」とワクワクする気持ちを,お子さんは味わっていますか。