『未来の年表』(河合雅司・著)
朝から雲が厚く,今にも雨が降り出しそうな天候でした。
吹く風は冷たく,じっとしていると寒くなります。
「ぼちぼち暖房器具をだそうかな。」と思う今日の天候でした。
明日の屋外行事の開催は難しそう…。
すでに体育大会の延期を決めた学校もありました。
みなさんの予定は,いかがですか。
はじめて目にしたのは,大学生協のベストセラーコーナーでした。「2」が発売された直後でしたが,どちらも大学生の多くが読む本になっていました。
カバーは,講談社現代新書のシンプルなものでなく,タイトルが赤い大きな文字になり,「43万部!」が目立っていました。世間では話題になっていたようですが,その時まで,『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)を知りませんでした。
◇『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』(講談社現代新書)
日本の人口減少は,統計の発表や将来推計で話題になっており,知っています。しかし,それを切実感をもって考えてはいませんでした。
「第1部 人口減少カレンダー」で,年代順に“日本の未来図”を描いています。それぞれ「聞いたことがあるような」気がしますが,それを具体的に説明しています。
それを読むと,「恐〜い」「どうしよう」という気になりますが,第2部で,問題への対策として「10の処方箋」を提案しています。
「これで安心」
となればよいのですが…。
若い世代になればなるほど,人口減少問題を「自分たちの問題」として捉え,強い関心を持っている。本書は,できる限り“不都合な真実”も明らかにした。読者にとって知りたくなかった未来を突き付けることになるかもしれない。だが,敢えてそれに挑んだのは,この国の行く末を憂えるからである。「はじめに」で著者が述べている通り,若い世代が読んでいるようです。 「若者が夢を描いて暮らしていける社会」を創っていく方策を考える“基礎データ”を提供しています。 2045年の項は「東京都民の3人に1人が高齢者」です。そのなかに,次のような記述があります。
これは,人々の流れに変化を与えるきっかけとなる。(略) 才覚ある自治体の首長ならば,誘致に積極的に乗り出すかもしれない。これからは,豊かな地方が大都市部の人口を吸い上げる時代となるかもしれないのだ。これを,立場にある方々が,「そうなのか」と読むのか,「そうなるように」行動を始めるのか,2045年の姿が大きく変わっていると思います。 あなたは,この本を,どのように読みますか(読みましたか)。
目次(1)より はじめに 第1部 人口減少カレンダー 序 2016年、出生数は100万人を切った 2017年 「おばあちゃん大国」に変化 2020年 女性の2人に1人が50歳以上に 2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える 2040年 自治体の半数が消滅の危機に 2050年 世界的な食料争奪戦に巻き込まれる 2065年〜 外国人が無人の国土を占拠する ほか 第2部 日本を救う10の処方箋 ――次世代のために、いま取り組むこと 序 小さくとも輝く国になるための第5の選択肢 ほか おわりに 未来を担う君たちへ 結びにかえて 目次(2)より 人口減少カタログ/庄子家の一日に起きたこと はじめに 第1部 人口減少カタログ 序 国民の5人に1人が、古希を超えている 1 あなたの住まいで起きること 1-1 伴侶に先立たれると、自宅が凶器と化す ほか 2 あなたの家族に起きること 2-3 80代が街を闊歩し、窓口・売り場は大混乱する ほか 3 あなたの仕事で起きること 3-4 東京の路線が縮み、会議に遅刻する ほか 4 あなたの暮らしに起こること 4-1 若者が減ると、民主主義が崩壊する ほか 5 女性に起きること 5-1 オールド・ボーイズ・ネットワークが、定年女子を「再就職難民」にする ほか 第2部 今からあなたにできること 序 「戦略的に縮む」ほど、ポジティブな考えはない ほか おわりに 「豊かな日本」をつくりあげてきた“大人たち”へ 結びにかえて【おまけ】 社会問題の一つに「非正規雇用の増加」がいわれることがあります。 その内訳をみたとき,これまで思っていた“問題”と違うところに課題があるようです。