「明日からまた笑顔で頑張っていける」と。
朝から日差しがあり晴れており,台風21号の影響は感じられない一日でした。
予報が「非常に強い勢力で上陸か…」と伝えており,当地への影響も大きそうです。台風情報に注意して早めの対応をしたいと思います。
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当地の小・中学校は,2学期の始業式でした。
夏休みを振り返り,2学期への意欲をもつ一日だったようです。
作手小学校では,始業式を終えた後,手作りの台で流しそうめんを楽しんで(味わって)いました。
友達と一緒に,学校の“楽しさ”を味わっているようでした。
古い話です。
杉並学院中学高等学校合唱部指揮者 渕上貴美子氏が,小児がん病棟慰問演奏を終えてから,生徒と会話したことを紹介した記事を読みました。
「先生,あんなに皆を悲しませちゃって,私たちが合唱をしに行ったことは本当によかったんでしょうか」と問われて,渕上氏は,
「うん,よかったんだよ。たぶん,お母さんも,病院の先生も,看護婦さんも,皆悲しくて,もう泣きたくて,泣きたくてね。でも,今一所懸命生きている子たちの前で泣けないでしょう? それを,あなたたちの歌で感動したふりをしてね,思いっきり泣くことができたからよかったのよ。明日からまた笑顔で頑張っていけると思う」と答えたそうです。 雑誌の記事で,「20年間の合唱指導の中で,特に忘れられない出来事をお聞かせください」の質問に答え,「7年前,小児科の末期がん患者の病棟に演奏をしに行った時のこと」を話されていました。 以下,大雑把な引用。
学校のある卒業生の方から「病院にいる子供たちに,あなたたちの天使の歌声を聴かせてあげてもらえないか」とお話があり,私も「ぜひ」と言って受けさせていただいたんです。 病院には,全員ブレザーを着ていったのですが,黒っぽい服では威圧感があるからと,その場で上着を脱がされて,全身に消毒液をかけられました。 寒い時期だったんですが,扉を開けると,物凄く暑くて,狭い部屋だったんです。 目の前には,本当にこの子がもうがんなんだろうか,と思うような赤ちゃんから,放射線で髪の毛がぼさぼさになってしまっている子,頬全体が陥没して顔が半分ない子だとか,もうそれは,見ただけでも体に震えがくるようなひどい状態の子たちがたくさん…。 その子たちの前で,私たちは部屋の隅っこのほうにへばり付くように立ちました。 敷かれたホットカーペットの上には,お母さん方も座っていたり,廊下にはドクターや看護師さんの姿も見えました。 私は壁の一番端に行って,指揮棒を振ったんですが,もう涙が止まらなくて,本当に…。 私の目の前で,お母さんが乳飲み子をギューッと抱えながら,涙をポロポロ零すんですよね。 あぁ,自分の子はこんなに大きくまで育つことができないんだ,とか,いろいろ思われたんじゃないかと思うんですが,看護師さんもドクターも皆泣いていらして,泣いていなかったのは,当のがんの子供たちだけで。 私も我慢しなくちゃ,と思うんですが,もう悲しくて悲しくて,生徒たちも涙をポロポロ零しながら,でも必死に笑顔をつくって,一所懸命歌って。 そしたら,歌が終わった後に,髪の毛のない子や顔の陥没した子たちが,「お姉ちゃんたち,どうして泣いてるの」って言うんです。 看護師さんが,「あなたたちがあんまり一所懸命聴いてくれるから,お姉ちゃんたち感動しちゃったのよ。楽しかった?」と尋ねました。 するとその中の一人が,「凄く楽しかったぁ。大きくなったらお姉ちゃんと一緒に歌いたい」って,もう私,本当に胸が張り裂けそうで…。 その時に,心から,あぁ歌は素晴らしいと思いましたし,いま生きていて,自分のできることを一所懸命やることが,どんなに大切なことかを凄く強く感じました。そして,帰りの電車の中で,生徒が渕上氏に尋ねたのが,冒頭の質問です。 続きの引用。
すると生徒が,「そうか。じゃあ私たちの歌で少しは楽になったのかな?」と言うから, 「そうよ。そして歌を聴いていた子たちが『お姉ちゃんと一緒に歌いたい』と言った。生きよう,って。 いや,生きるということは分からないかもしれないし,もしかしたら一か月後には命がない体かもしれないけれど,少しでも希望を持って生きようとしたということは,素晴らしいことだから」 と話して,お互いに感動しながら学校に戻ったことがあるんです。 私は,生きているということは,自分一人がここに存在して,ただ呼吸をしているのではなく,いろいろな人と出会って,怒ったり,笑ったり,悲しんだり,苦しみを分かち合ったりして,相手の心や周りにいる人たちの心を,ちゃんと感じられることではないかと思うんです。 私が慰問演奏に行った時に,「いまを大切に生きなければ」と強く思ったのは,幼くして亡くなってしまう子たちもいるんだから頑張って生きよう,という思いではなくて,あの時,あの部屋の中で,それぞれの人の心がうごめいていたんですね。 無邪気に喜んでいる子供や,日頃泣けない家族の人たち…,そういうたくさんの思いが満ち溢れている中に入ったから,あぁ,ちゃんと生きていかなくちゃ,神様から与えられたこの命を,大切にしなくちゃいけないと感じたのだと思うんです。 谷川俊太郎さんの詩に,「生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ」という言葉がありますが,本当にそんな思いですね。 そうやって,いろいろな人の思いを感じられることで,人間は生きている価値が生まれてくるものだと思います。小児がんのお子さんをもつ家族の思いは,いかばかりかと。 合唱が,心の悲しみをはき出すお手伝いをしたのです。 そして,子供達に笑顔で「愛している」と伝えていける。素敵なことです。 人の笑顔を,頑張る力を,それが生まれる行動・活動をしていきたいものです。 【おまけ・詩】 「命」 宮越由貴奈(小学4年) 命はとても大切だ 人間が生きるための電池みたいだ でも電池はいつか切れる 命もいつかはなくなる 電池はすぐにとりかえられるけど 命はそう簡単にはとりかえられない 何年も何年も 月日がたってやっと 神様から与えられるものだ 命がないと人間は生きられない でも 「命なんかいらない。」 と言って 命をむだにする人もいる まだたくさんの命がつかえるのに そんな人を見ると悲しくなる 命は休むことなく働いているのに だから 私は命が疲れたと言うまで せいいっぱい生きよう