『夏目漱石,読んじゃえば?』(奥泉光・著)
台風の発生が続き,これからの天候が気になりますが,今日は青空の一日でした。
風が気持ちよく,半袖では肌寒さを感じました。
子供達のなかには「宿題の追い込みでたいへんだ。」という子もいるでしょうね。
先日,小学生の親子が「読書感想文はどうするの。」「自由研究のまとめは,できたの。」と,図書室で話(?)をしていました。親から助け舟を求められましたが,お子さんは「大丈夫!」と自信のある表情で,それを断りました。頼もしい小学生です。きっと今頃,“休み”を満喫していることでしょう。
毎年,読書感想文に悩む話を聞きます。一番は,本選びです。
先日読んだ『夏目漱石、読んじゃえば?』(河出書房新社・刊)は,その参考になりそうな一冊です。
ただし,選ばれるのは夏目漱石の本だけです。
夏目漱石は,昨年(2017年)生誕150年,一昨年(2016年)は歿後100年で,いろいろなイベントがありました。その頃に読まれているかもしれません。「14歳の世渡り術」シリーズの一冊で,子供達に向けた読みやすい内容です。
第1章の『吾輩は猫である』で, ◇hicbc.com:CBC気象情報
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「夏目漱石は何か読みましたか?」と聞かれたら,タイトルしか読んでなくても「『吾輩は猫である』を読みました」と答えていい。事実,タイトルは読んだわけだしね。と書いています。 “学校の先生”は,こんなこと言いませんよね。この気楽さが,本書の楽しさの一つです。 第3章で『夢十夜』を取り上げています。ここで
「夢十一夜」をかけばいいじゃないか!と勧めています。 感想文を書くなら,『夢十夜』からの「夢十一夜」で出来そうです。そして,次の年は「夢十二夜」,その次は「夢十三夜」と。小学校から中学校まで続けられそうです。 どうですか。 宿題はともかく,夏目漱石の作品を読みたくなる一冊です。 すでに読んだ本には,新しい魅力を感じでしょう。
目次 夏目漱石って知ってる? 香日ゆら はじめに 第1章 『吾輩は猫である』 小説は全部読まなくてもいいのである 第2章 『草枕』 小説はアートだと思うといいよ 第3章 『夢十夜』 「夢十一夜」を書いてみよう コラム1 漱石とお菓子−漱石は大の甘党だった!? 第4章 『坊っちゃん』 先入観を捨てて読んでみたら 第5章 『三四郎』 脇役に注目するといいかも 第6章 “短編集” 作者の実験精神を探ってみよう 第7章 『こころ』 傑作だなんて思わなくていい 第8章 『思い出す事など』 「物語」を脇に置こう コラム2 漱石と動物−漱石は犬派だった!? 第9章 『それから』 イメージと戯れよう 第10章 『明暗』 小説は未完でもいいのだ◇奥泉光 (@okuizm)(Twitter) 【おまけ・台風】 今後の動きが気になりますね。