「不思議な松」《作手村のむかし 17》
朝,「傘持って行って。」と言われて出かけました。曇り空で雨の心配がありましたが,時間とともに晴れてきました。
傘の出番はなさそうです。
晴れてきた空には,積雲が見られるようになりました。夏空です。
気温も上がり,夏の陽気になりました。
夕方,気温は30度を超えていましたが,自動車の窓を開けると気持ちの良い外気でした。
空気が乾いていたからのようです。
ここでも“夏”を感じました。
当地の梅雨明けも近いかな。でも,明日は雨か…。
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「作手村のむかし」の一話です。
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『不思議な松』 (文・作手中1年 女子)
この話は,小さい時,母から聞かされた話で,私の住んでいる黒瀬の開墾地と言うところに不思議な松がある。そこには,平松橋という橋がある。それは,橋の横に平たい松があるので,平松橋と名付けたそうだ。
この松は,自然にはえた木で,すごく形が良く,いつも私は,その松を見て,学校に通っているけど,いつ見てもすばらしい松だ。時々知らない人が見て行くことがあるが,通る人みな,すばらしい松だとほめて行くと言う。
しかし,その松の枝などを切ると,恐ろしいことがおきると言う。その例として,ある人が枝をすこし切ったら死んでしまったと言う恐ろしいことがおきている。私は,その人が,はんとうにその松の枝を切ったと言うことは知らないが,近所の人達は,そう思いこんでいるのだろう。
また,その辺を河川改修をすることになった。そこで,あの松が,邪魔になるので土木の方から,あの松を切って仕事をするようにいって行ったそうだが,その松を切らなかったのだ。その理由は,その松をを切る人がいなかったということと,とてもすばらしく,切るのがもったいないということだそうだ。
私は思った。どうして,松を切る人がいなかったのだろうか。それは,その人が,恐ろしいめに合ったのであろうか。しかし,証拠はない。どう考えてよいかわからない。また,母から,
「あの松は,北向きの松だから神様の松だよ。」
と教えてくれた。こんな問題を引き起こすから,不思議な松として,恐れられているのだろう。
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さて,今,松はどうなっているかな。