集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『江戸おんな絵姿十二景』(藤沢周平・著)

綿0223。 昨日のニュースで,東京では雪が降ったと伝えていましたが,当地はよい天気が続いています。  今日も,晴れの日で,日差しのおかげで,暖かさを感じる一日でした。  を感じます。  作者,題名の「江戸」,表紙の「」が気になって『江戸おんな絵姿十二景』(文藝春秋・刊)を読みました。  本書は「藤沢周平 没後20年記念」として出版されたものでした。  あとがきで,
「江戸おんな絵姿十二景」は,かなり前に文藝春秋本誌に一年間連載したもので,一枚の絵から主題を得て,ごく短い一話をつくり上げるといった趣向の企画だった。一話が大体原稿用紙十二,三枚といった分量ではなかったかと思う。いわゆる掌編小説である。
と述べている通り,一話を一気に読んで楽しめます。     文藝春秋には昭和56年3月号から1年間にわたり連載されたそうです。主題となった浮世絵は,鈴木春信「雪中縁端美人」,鳥居清長「女湯」,喜多川歌麿「傘さす男女」,歌川国貞「集女八景 洞庭秋月」など12点で,本書には全点カラーで収録されています。  「自分だったら,どんな話を綴るか?」と,不遜な思いをもって浮世絵を楽しみ,藤沢氏の文章を楽しんだ一冊です。  いかがですか。 読書メモ
   物語のはじめに  私がはじめて時代小説を書こうと思いたった時,北斎や広重の絵がひとつの入口になった。浮世絵には無限の想像力をかきたてる世界が隠されている。その中から十二の場面をえらんで小説をつけてみることにした。といっても,触発されて出てくる想像の世界を掌編にするだけのことで,中味は必ずしも絵の説明とはならないだろうが,その上で両者がどこかでつながっているあたりを眺めていただければよいのではないかと思う。
   目次 物語のはじめに 夜の雪 うぐいす おぼろ月 つばめ 梅雨の傘 朝顔 晩夏の光 十三夜 明鳥 枯野 年の市 三日の暮色 あとがき