集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「数学教育論」を読む。

海1203。 優しい日差しがあり風も穏やかで“暖かい日”でした。  夕方,西に日が傾くと,一気に“寒く”なりました。太陽のありがたさを感じます。  「自由人」と称して,勝手気ままに過ごしていますが,今年は“教育研究家”も名刺に書き加えています。  とはいえ,「何を研究しているの?」と問われると,「教育に関することいろいろ。」と答えるしかなく,尋ねた方も自分ももやもやした感じになっています。  その“いろいろ”のなかに,書籍や論文に目を通すことがあります。  先日,昔々の小冊子を取り出して,読み直しました。  そこには,昭和初期の算術(算数)教科書(緑表紙)を編集した塩野直道氏の「数学教育論」が記されています。  読んでいくと,以前に引いたマーカーに「そうだった」と再確認したり,「あれっ。何で?」と意味を考えて止まってしまったりしました。  そうして読み終え,「今なら,どう読み解き,どう言葉にするのか」を考えました。  読書メモとして。  塩野氏は,教育をはじめる前提として,次の3つがあると書いています。
・生命が伝わること ・生命が成長すること ・生命が環境に対する適応性をもつこと
 そこから始まる教育現象について
・教育現象の要因は,子が親になつき,親が子をいつくしむ心に根ざす。この親心がつまり至純な教育愛であり,教育の源泉である。
と述べ,これは親子だけのことでなく,社会・国家等の集団で起こるとし,
 その集団の現世代が次の世代のものに期待をかけて,そのよりよき成長を願い,集団全体の栄えを願うことに変わりない。
と,個と全体について論を進めていきます。  話を進め,教育の目的や具体的な結果を述べた後に,「教育の目的」として次のようにまとめています。
○ 若い人達の身体の健全な発達をはかる。 ○ 快適な日常の個人的・社会的生活を実践し,それをいっそう豊かにするようなはたらきを養う。 ○ 真・善・美・聖の精神を豊かに養わせる。 ○ 現在までの文化を理解させる。 ○ 個々人の特性を自由に伸長させ文化の向上に資する。 ○ 愛・信・敬の心を厚くし,秩序を正し務を尽くし和を致すようにはかる。
 今,教育を考えたり語ったりするとき,それぞれが持つ“前提”や“目的”からしているでしょうか。  「目の前の子供を…」が強すぎで見誤っていないでしょうか。  そんなことも思いました。  今日はここまで。  後半の「数学の本質」などは,また別の機会があれば,そのときに。