「数学教育論」を読む。
優しい日差しがあり風も穏やかで“暖かい日”でした。
夕方,西に日が傾くと,一気に“寒く”なりました。太陽のありがたさを感じます。
「自由人」と称して,勝手気ままに過ごしていますが,今年は“教育研究家”も名刺に書き加えています。
とはいえ,「何を研究しているの?」と問われると,「教育に関することいろいろ。」と答えるしかなく,尋ねた方も自分ももやもやした感じになっています。
その“いろいろ”のなかに,書籍や論文に目を通すことがあります。
先日,昔々の小冊子を取り出して,読み直しました。
そこには,昭和初期の算術(算数)教科書(緑表紙)を編集した塩野直道氏の「数学教育論」が記されています。
読んでいくと,以前に引いたマーカーに「そうだった」と再確認したり,「あれっ。何で?」と意味を考えて止まってしまったりしました。
そうして読み終え,「今なら,どう読み解き,どう言葉にするのか」を考えました。
読書メモとして。
塩野氏は,教育をはじめる前提として,次の3つがあると書いています。
・生命が伝わること ・生命が成長すること ・生命が環境に対する適応性をもつことそこから始まる教育現象について
・教育現象の要因は,子が親になつき,親が子をいつくしむ心に根ざす。この親心がつまり至純な教育愛であり,教育の源泉である。と述べ,これは親子だけのことでなく,社会・国家等の集団で起こるとし,
その集団の現世代が次の世代のものに期待をかけて,そのよりよき成長を願い,集団全体の栄えを願うことに変わりない。と,個と全体について論を進めていきます。 話を進め,教育の目的や具体的な結果を述べた後に,「教育の目的」として次のようにまとめています。
○ 若い人達の身体の健全な発達をはかる。 ○ 快適な日常の個人的・社会的生活を実践し,それをいっそう豊かにするようなはたらきを養う。 ○ 真・善・美・聖の精神を豊かに養わせる。 ○ 現在までの文化を理解させる。 ○ 個々人の特性を自由に伸長させ文化の向上に資する。 ○ 愛・信・敬の心を厚くし,秩序を正し務を尽くし和を致すようにはかる。今,教育を考えたり語ったりするとき,それぞれが持つ“前提”や“目的”からしているでしょうか。 「目の前の子供を…」が強すぎで見誤っていないでしょうか。 そんなことも思いました。 今日はここまで。 後半の「数学の本質」などは,また別の機会があれば,そのときに。