集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『三河国軍物語』(齋藤彦徳・著)

本1019。 今日も雨の日でしたが,午前中に「このまま晴れるかな」と期待するような晴れ間がありましたが,雨が降り続けました。  朝,衆議院議員選挙,国民審査の期日前投票に行ってきました。  係の人から投票用紙を順に受け取り,順に投票と繰り返し,権利を行使してきました。  投票日の天候はよくなさそうですが,みなさん投票に行きましょう。  地域の郷土史家 齋藤彦徳氏から『三河国軍物語』をいただきました。原稿の校正をされているとき,少しお手伝いをいたしました。  齋藤氏は,古文書教室を主宰され,さまざまなものを読んでみえました。そのなかでも「これほどの資料を埋もらしてしまうのは勿体ない」と会員の皆が思った古文書の現代語訳です。  古文書を所蔵していた新城市長篠城址史跡保存館のFacebookでは,次のように紹介しています。
  「三河国軍物語」販売開始  新城市作手の郷土史家である齋藤彦?先生が「三河国軍(いくさ)物語」を出版されました。原本である古文書は保存館が所蔵しているもので、先生は予てより古文書教室のテキストとしてこの古文書を使用し、解読を進めておりましたが、その成果が一冊の本となったわけです。  本書は題名の示す通り、三河国で発生した戦いが収録されている軍記物になりますが、大きな特徴としてその記述の詳細さが挙げられます。他には見られないような小競り合いや武将の名前が並び、緊迫した戦いの状況や武将が討死する瞬間などが臨場感溢れる様子で描かれております。  三河の戦国時代を深く知りたい方には特にお勧めしたい一冊です。全文現代語訳されておりますので、歴史初心者の方でも読みやすくなっております。  保存館で委託販売しており、見本も置いてありますので、来館の際はぜひお求めください。一冊1,500円です。
 全6巻からなる『三河国軍物語』には,たくさんの“合戦のようす”が記されて,「えっ,ここでも戦があったの?」と三河各所が出てきます。  内容は,「軍記物」というのでしょうが,単に記録だけでなく,会話があったり,“ものがたり”になっていたりします。
 その時,山口五郎作は耐え兼ねて,不浄所へ行き『敵は最早稲木まで参りました。このままでは御討ち死に疑いなし,大将たるもの命を全うする事こそ本意なり,早々御立ち退き下さい』と申し上げると,漸く不浄所を出て『手水を持って参れ』と言う。持参すると『何時もは湯を使うに,敵が近づいたから寒水を使えとはどう言う事だ』と言われ,近習の者共は走り回り湯を持参するとこれを使った。
 城主は“大物”なのか“小心”なのか,話に引き付けられます。  このように場面を描いた内容も,いろいろ出てきます。  著者は不明とのことですが,どんな人物あるいは仲間であったのか,興味がわきます。  歴史に詳しくない方も,「なるほど」「そんなことがあったのか」と楽しめる内容です。  郷土史をお楽しみください。  一般書店では扱っていませんので,新城市長篠城址史跡保存館(0536-32-0162)あるいは新城市つくで交流館新城市作手歴史民俗資料館)(0536-37-2269)へ問い合わせると,購入や著者への仲介をしていただけると思います。
   目次 巻頭写真 推薦文 まえがき 凡例 三河国軍物語 巻之壱  宇理合戦/聞書/野田合戦 ほか 三河国軍物語 巻之弐  一ノ宮合戦/山中七郷合戦 ほか 三河国軍物語 巻之三  後の吉田合戦/田峯合戦 ほか 三河国軍物語 巻之四  吉田終わりの合戦/宝川合戦 ほか 三河国軍物語 巻之五  前の小豆坂合戦/海辺の兵火 ほか 三河国軍物語 巻之六  福釜合戦/寺部合戦 ほか あとがき 略図
【おまけ】  新城市の歴史に関する施設の情報発信(Facebook◇新城市長篠城址史跡保存館 @nagashino1575 ◇新城市設楽原歴史資料館 (Shitaragahara Historical Museum) @shm1575 ◇作手歴史民俗資料館 @tsukude