集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『お世話され上手』(釈徹宗・著)

花0827。 天気の良い日でした。  夏休み最後の日曜日, 川岸に水遊びをする親子連れの姿が,河川敷にたくさんのテントが,バーベキューをする姿が,たくさん見られました。楽しそうでした。  みなさん,夏を楽しみましたか。    何となく選んだ本『お世話され上手(ミシマ社・刊)です。  著者は,大阪にある浄土真宗 如来寺の住職,宗教学者認知症グループホームを運営するNPO法人の代表…と,“いろいろな顔”を持っています。  そんな著者が,自己完結にこだわらずに他人の助けを借りて暮らす「お世話され上手」のススメを説いています。
 本書は基本的に“自分語り”である。このような本を書く日がこようとは,文字通り夢にも思わなかった。元来,自分のことを話すのが苦手である。誰がそんな話聞きたいの? とも思う。  第一章は個人的な経緯,第六章ではあぶら揚げと仏教の話である。読んでもらえるのか,この本。
 “老人”や“介護”の話ではありますが,どの年代の人にも楽しめる一冊です。 読書メモより
○ あるとき,“自分というもの”をキープしたままで相手に寄り添おうとするからしんどいのではないかと気づいた。そこで,“自分というもの”を ( ) に入れるイメージでやってみたら,けっこう楽になった。  “自分”という枠をがっちりと持ったまま他社に寄り添うのは,どうもうまくいかないらしい。 ○ (○○に熟成したものを求めてもお門違いである。)以前,内田樹先生と「地域を単に行政区分でとらえるのではなく,年齢別的な視点で見直してはづおか」という話をしたことがある。そのとき内田先生から「江戸時代の藩はなかなかよくできている」と教えてもらった。  藩はそもそも川や峠など地形で線引きがされていた。 ○ このように「物語」に対して,「情報」はどんどん使い捨てられていく。  情報は,新しいものを手に入れれば,それまでのものは必要なくなるからである。つまり消費されていくのだ。(略) 不要な情報を捨てるのは達者になっている。しかし,物語に沿って生きる,物語に心身をゆだねることは苦手になっている。物語は痩せる一方である。 ○ 物語は,いったんそれに出遇うと,もう出遇う以前に戻れないほどの力をもっている。それまでの自分のあり方が問われる。それが物語である。
  目次 はじめに 第一章 お世話され「下手」だった私 第二章 お寺に注目する 第三章 地域に支えられる里家・むつみ庵  ・むつみ庵スタッフ座談会 前篇 第四章 看取るということ  ・むつみ庵スタッフ座談会 後篇  ・「むつみ庵」に行く」(細川貂々) 第五章 認知症高齢者に学ぶ 第六章 あぶら揚げと仏教 第七章 土徳とローカリズム 終章 お世話され上手への道 あとがき