集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『部活があぶない』(島沢優子・著)

パフェ0826。 夏の一日でした。  出先では,雨が降ったようですが,雨の降る時にはその場にはいずにすみました。  さて,明日は…。  「先生が危ない!」  「学校が危ない!」  いろいろな面から教育や学校が語られ,その“ブラックさ”が言われ,その“改革”が求められ,その“取り組み”が試みられます。  でも…。  社会にさまざまな事柄があり出来事があります。その経験がなかったり,業界に関わりがないと,「そういうこともあるかも…」で終わってしまいます。  しかし,学校や教育については,ほぼすべての大人が経験・体験したことであり,“一家言”を述べることができます。  それは良いことですが,“まとまり”をみることを難しくしているように思っています。  話題になることの一つに「部活動」があります。  『部活があぶない』(講談社現代新書は,いろいろな視点から,部活動の功罪をあげ,「これからの部活動」について述べています。  “ブラック部活”は,生徒にとっても,教師にとっても,あり得る問題だと,具体的なデータや聞き取りを基に綴っています。  もちろん,部活動が悪いのではありません。部活動を“ブラックのまま”にしていることが悪いのです。  教師や保護者,そして“すべての大人”が,未来の日本の姿に求めるものを共有し,行動を始めることが肝心です。  無関心でなく,それぞれができる行動を始めるヒントとなる一冊だと思います。  読書メモ。
○ 命を救うような部活動は,難しい時代を生きる今の子どもたちに,かけがえのない仲間と確かな成長をもたらす。そして(略) 仲間とのかかわり。/自分との葛藤や達成感。/他者への感謝。/ 中高生は授業では得られないことを部活を通して経験し,学んでいる。成長を促す要素が,放課後にあるのだ。 ○ 「自発的」な参加に基づくと規定されているにもかかわらず,強制している学校がある,ということ,そしてその状態が放置されていることが問題なのである。 ○ 「78連勤なんですよ〜って自慢したら,女子バレー部の顧問からオレなんか140日目だって言われて。なんか感覚が麻痺してましたね」  「部活,辛いっす」50代のベテラン教師に愚痴をこぼしたら,瞬時に「生徒のためだからね」と言い返された。 ○ 容易く生徒指導ができ,学校の名声まで高められる格好のツール,そのような道具として,学校側が部活を捉えた時,「子どもたちのため」の部活でなくなってしまう。 ○ 「部活から始まったブラックが,ブラックバイトへと連鎖して,企業のブラック化に拍車をかけているのかもしれない」と南部さんは語る。 ○ だが,もう終わりにしなくてはいけない。  「一発学習」という麻薬で一時的な勝利(結果)を呼び込むのではなく,「強化学習」によって本質的に成長させることがもとめられている。 ○ 懇意にしている大学の先生は「モラルパニックで終わらなければいいけど」と案じていた。(略) 今現在「ブラック部活はよくない」と耳目を集めているが,国がこんんだ対策をしますと宣言したら,人々はそれで安心し忘れ去ってしまうのではないか。
   目次 プロローグ 部活は誰のもの? 第1章 部活がもたらす効果 第2章 部活のいびつな歴史 第3章 ブラック部活が止まらない 第4章 教師にとってもブラックな部活 第5章 ブラック部活の正体 第6章 ブラック部活から子どもを守る 第7章 部活の未来のために あとがき