紹介しようか,どうしよう 『深爪式』(深爪・著)
「暑い日になり…」と予報されていましたが,今朝は雨が降ってきそうな天気でした。日中も,ときどき薄日を感じる程度で,“夏の日”ではありませんでした。
今年は「今,梅雨だよね?」という天候だったので,今になって帳尻を合わせているようです。
それは困ります。やはり“夏は夏らしく”あってほしい。お天道様,お願いします。
図書室の書架に,目立つ装丁の本がありました。外観はピンク色,題字は金色の背景に浮かぶピンク色,タイトルは『深爪式 声に出して読めない53の話((KADOKAWA・刊)です。
著者名は「深爪」。テレビ番組『がっちりマンデー』で,先日「○○式でがっちり」という放送を見たところでもあり,タイトルに惹かれました。
本を開いて,びっくり。
中扉の「人生に疲れたすべての人たちに捧ぐ」を読み,ぺーじをめくるとContents(目次)です。
「まえがき」に続くのが「深爪なセックス」であり,内容が「これが私のエロ人生(幼稚園〜中学生編)」から始まります。
「この本がここにあっていいの?」
この本に出会ったのも何かの縁,読んでみることにしました。
ブログで紹介するかどうか迷いました。
「元○○」が躊躇させますが,「自由人」は“話題になっている本”という“逃げ”を用意しながら書いています。
出版社の紹介文には,
Twitterフォロワー11万人突破!! 下品な仮面を被ったツイート女王「深爪」による高感度エッセイ! 電子版2冊分に書き下ろしを加えた決定版が,ついに書籍化! ハードコア&パンクな内容にして,そのじつは無名の一般主婦。 「ひどすぎる! だけどおもしろい!!」「セキララなオンナの本音が満載!」など各方面から大反響。 恋愛,SEX,人生,SNS,家族,社会ネタとジャンルを走破。 下ネタ全快! 核心に迫る深爪ワールドをご堪能あれ。 深爪すぎて爪は短いけど,確実にあなたの心に爪痕を残します。とありました。 確かに“爪痕”が残ります。 さまざまな本を紹介するダビンチニュースでは,
有象無象,魑魅魍魎がはびこるツイートが話題になり,多くの人々に深い爪あとを残すアカウント「深爪」(@fukazume_taro)氏をご存じでしょうか? 彼女は一介の主婦にも関わらず,11万人のフォロワーを抱え,ツイッターの女王と呼ばれている。著名人にもファンが続出しているという,彼女のつぶやき最大の特徴といえば“シモネタ”。たとえば… (中略) そのほか,おっさんにダジャレ好きが多い理由を「なぞなぞ本」から考察したり,実体験を交えたセックスレス脱出方法など,声には出せなくとも膝を打つようなコラムが盛りだくさん。とくに,今回書き下ろしたコラム「すばらしきかな玉袋」では,著者の玉袋愛が炸裂しています。読後は,これが混沌…とつぶやいていることでしょう。多分。 平淡な日々にぼんやり退屈を感じているならば,性欲モンスター,女,主婦などなど,さまざまな観点から仮設を立てまくる“深爪式”思考法を,同書から学んでみるのも一興かもしれません。と,“思考法を学ぶ”ことを勧めています。 最初から“シモネタ”全開ですが,「深爪なSNS」あたりから“風向き(表現)”が変わってきます。 その内容は,SNSやネットで苦しむ中高生にも読ませたいと感じました。 読書メモより
○ 「サプライズ」を,相手を喜ばせるためのイベントと考えている人も多いと思うが,実際のところそれは究極の自己満足にすぎない。 ○ 咳が見えずに苦痛な時間を過ごさなければならないとき,「いつでも死ねる」と逃げ場を作ることで,たいそう気持ちが楽になる。 「いざとなったら死ねばいいや」は一見,絶望的な思考停止と思われるかもしれないが,それは「生きる希望」を生むこともあるのである。 ○ しかし,今一度考えてみて欲しい。そもそも我々人間は,すでに「自然」ではないのである。冷暖房完備の家に住み,炊飯器で炊いた米を食べ,電車通勤をしている人間が,ある一部に関してのみ「自然であること」を追求するのはあまりに「不自然」だ。 ○ これからは挨拶代わりに「個性的」を連発し,隙あらば腹の探り合いをしていきたいと心に決めた次第である。 ○ こうして,私はなんでもテキパキとこなす人間になってしまった。(中略)…などと褒めてくれる人がいるのだが,そう言われるたびに子どもの頃のイヤな記憶がよみがえり,陰鬱とした気持ちになる。完全なる善意が相手を傷つけることもあるのだ。 本当に人間はめんどくさい生き物である。 ○ 母は悪の組織に狙われている。 家を空け,帰宅すると化粧水の位置が変わっている。 大事にしまっておいたマックのコーヒー1杯無料券がいつの間にかなくなっている。 毎日決まった時間に新聞配達のバイクが家の前を通り,毎日決まった時間に向かいの住人がゴミを出す。母を監視するためだ。 台風の翌日には大量の葉っぱが庭に投げ込まれたこともある。悪の組織の嫌がらせである。 (中略) 私ができること。 それは,母はおかしくなってしまったが,「自分を愛し,育ててくれた唯一の人間である」ということを決して忘れない,ということではないかと思うのである。あなたも“深爪式の思考”を味わってみますか。
Contents まえがき 深爪なセックス 深爪な恋愛 深爪なSNS 深爪な日常 深爪な人生 深爪な家族 あとがき【関連】 ◇深爪@重版御礼「深爪式」絶賛発売中(Twitter)