集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『追憶の探偵』(月村了衛・著)

花0718。 “暑い日”でした。出先で停めておいた自動車の中は“煮立った”ようでした。  その一方,新潟や福島では大雨が降ったようです。  不安定な天候が続いています。繰り返しになりますが,被害の出るような雨は遠慮したい。お天道様,よろしくお願いします。  ネットニュースで,日野原重明氏の訃報を知りました。  100歳を超えても医師として仕事を続け,精力的に講演を続けてみえました。  直接お話を聞いたことはありませんが,魅力的な“生き方”を見せていただいた方でした。  冥福をお祈りします。  書架に月村了衛氏の『追想の探偵』(扶桑社・刊)があり,読んでみたくなりました。  月村氏の本をたくさん読んでいるわけではありませんが,このとき気になりました。  主人公 神部実花は,黎砦社が出版する雑誌「特撮旬報」の編集者です。  そして,こう呼ばれます〈人捜しの神部〉。
 消息不明の大物映画人を捜し出し、不可能と思われたインタビューを成功させる――  〈人捜しの神部〉の異名を取る女性編集者・神部実花は、上司からの無理難題、読者からの要望に振り回されつつ、持てるノウハウを駆使して今日も奔走する。  だが自らの過去を捨てた人々には、多くの謎と事情が隠されていた。次号の雑誌記事を書くために失われた過去を追う実花の取材は、人々の追憶を探る旅でもあった……。  記憶の重い扉が開いたとき、切なさがあふれ出す。日常のハードボイルド。
 〈人捜しの神部〉がわずかな手がかりを諦めず辿っていく“ハードボイルド小説”を楽しみました。  「はらはら。ドキドキ。」とは違うかもしれませんが,展開の先にわくわくします。  また,出版社の上司,同僚,部下…とのかかわりは,“職場”にいそうな人かもしれません。でも,このなか〈人捜しの神部〉は頑張り続けます。その姿に,働くことを考えるかもしれません。  そして,特撮が好きな方には,その“マニアックな話題”も,大きな魅力を感じるかもしれません。  「日常のハードボイルド」の楽しみを,いかがですか
   目次 日常のハードボイルド 封印作品の秘密 帰ってきた死者 真贋鑑定人 長い友情 最後の一人
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