『追憶の探偵』(月村了衛・著)
“暑い日”でした。出先で停めておいた自動車の中は“煮立った”ようでした。
その一方,新潟や福島では大雨が降ったようです。
不安定な天候が続いています。繰り返しになりますが,被害の出るような雨は遠慮したい。お天道様,よろしくお願いします。
ネットニュースで,日野原重明氏の訃報を知りました。
100歳を超えても医師として仕事を続け,精力的に講演を続けてみえました。
直接お話を聞いたことはありませんが,魅力的な“生き方”を見せていただいた方でした。
冥福をお祈りします。
書架に月村了衛氏の『追想の探偵』(扶桑社・刊)があり,読んでみたくなりました。
月村氏の本をたくさん読んでいるわけではありませんが,このとき気になりました。
主人公 神部実花は,黎砦社が出版する雑誌「特撮旬報」の編集者です。
そして,こう呼ばれます〈人捜しの神部〉。
消息不明の大物映画人を捜し出し、不可能と思われたインタビューを成功させる―― 〈人捜しの神部〉の異名を取る女性編集者・神部実花は、上司からの無理難題、読者からの要望に振り回されつつ、持てるノウハウを駆使して今日も奔走する。 だが自らの過去を捨てた人々には、多くの謎と事情が隠されていた。次号の雑誌記事を書くために失われた過去を追う実花の取材は、人々の追憶を探る旅でもあった……。 記憶の重い扉が開いたとき、切なさがあふれ出す。日常のハードボイルド。〈人捜しの神部〉がわずかな手がかりを諦めず辿っていく“ハードボイルド小説”を楽しみました。 「はらはら。ドキドキ。」とは違うかもしれませんが,展開の先にわくわくします。 また,出版社の上司,同僚,部下…とのかかわりは,“職場”にいそうな人かもしれません。でも,このなか〈人捜しの神部〉は頑張り続けます。その姿に,働くことを考えるかもしれません。 そして,特撮が好きな方には,その“マニアックな話題”も,大きな魅力を感じるかもしれません。 「日常のハードボイルド」の楽しみを,いかがですか。
目次 日常のハードボイルド 封印作品の秘密 帰ってきた死者 真贋鑑定人 長い友情 最後の一人【関連】 ◇月村了衛の月録 ◇『追想の探偵』特設ページ