集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『日本に自衛隊がいてよかった』(桜林美佐・著)

花0401。 2017(平成29)年度が始まりました。雨の朝でしたが,傘のお世話にはならずに過ごせました。  新しい一年の始まりを,東京で過ごしました。首都,大都会の賑わいと喧騒を感じながら,いろいろ思う日でした。  新しい一年の始まりに,“あらためて考える機会”を持ちたいと思い,『日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災』(産経新聞出版・刊)を読み返しました。  震災の年(2011年)9月に発刊された“震災の記録”本です。  著者の桜林氏が,震災後に被災地に立ち,見たこと,記録したことを「本当は,書くつもりじゃなかった…」というものが3月25日から「夕刊フジ」の連載となり,再編集、加筆して出版されたものです。  阪神淡路大震災は,後に「ボランティア元年」と言われることのなる動きが始まりました。  東日本大震災では,自衛隊が表舞台で“評価”される場面が増えたように思います。それは,「よいこと」でしょうが,それを危惧する方々もあります。  著者は,社会の自衛隊に対する評価を受け入れながらも,その“勘違い(?)”に警鐘を鳴らし続けようとしています。本書のなかにも,それを伝える記述があります。  本書を読み返すのは,大震災のことを振り返るというよりも,「第二章 使命」や「第三章 決断」などに描かれる自衛隊の“組織力”や自衛隊員の“志”に学び,「新しい一年への姿勢を正したい」との思いからです。  本書に記された自衛隊(員)の行動に,「頑張れ!」「あなたにもできる!」と背を押された気がします。  組織で活動される方々,そして教職員のみなさんには,再読をお薦めする一冊です。  読書メモから
○ 厳密に言えば「非効率」「ルール違反」なのだろう。しかし,人の大事にする物を自分も大事にする心は理屈を超越する。それを決断し,また,見逃す勇気が彼らにはある。 ○ そういう意味では「何も起きないために」存在する集団なのだ。平凡な日常のありがたさが分かった今,胸を張ってそう言える。 ○ しかし,問題はそこにありました。各自治体が立ち直ったタイミングで,自衛隊に頼っていた状態を徐々に本来あるべき姿に移行しようとすると,自治体によってはスムーズにいきませんでした。 ○ ある市を巡ってはこんなエピソードを聞きました。  自衛隊側から避難所の縮小や統合を提案したところ,「それは総務課の担当だ」と言われ…(略)  これはトップダウンしかないと,市長や副市長に打診するも,「下に任せている」という返答だったという…(略)
 組織,管理職(トップ)のあり方が,「命」「未来」のありようを握っていること,そして,それが有事にみえること,“平時の備え”の再点検をお願いします。  
   目次 はじめに 第一部 誰かのために  第一章 被災  第二章 使命  第三章 決断  第四章 団結 第二部 災害派遣の舞台裏  第一章 大震災の教訓  第二章 防衛力が危ない 付録/東日本大震災原発事故における自衛隊の活動
【関連】   ◇桜林美佐 (@misakura2666)Twitter)   ◇防衛ジャーナリスト・桜林美佐オフィシャルウェブサイト「桜、咲いてます!」   ◇桜林美佐の新・国防日記