集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『五つ星をつけてよ』(奥田亜希子・著)

花0307。 天気のよい日になるかと思っていましたが,出先では路面に水たまりができるほどの雨が降りました。幸い,自分が移動するときに雨は降りませんでした。  朝,新幹線の車内は,ビジネススーツを着た方が多いのですが,今日は,若者のグループが目立ちました。  座席を向い合せにして,楽しそうに話をしている人たちもいました。  大学生が休みを使って旅行にでかけるようです。いいですねえ。  ネットで情報を集め,SNSでコミュニケーションをする,それが「日常」となっています。  そうしたネットの“あれこれ”を題材にした,6つの短編が収められた『五つ星をつけてよ』(新潮社・刊)です。  主人公は,いずれも女性です。出版社の紹介には,
 ディスプレイに輝く口コミの星に「いいね!」の親指。その光をたよりに、私は服や家電を、そして人を選ぶ。だけど誰かの意見で何でも決めてしまって、本当に大丈夫なんだろうか……? ブログ、SNS、写真共有サイト。手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする、心と心の距離に翻弄される人々を活写した連作集。
とありました。  タイトルとなっている「五つ星をつけてよ」の主人公 恵美は,子供の頃から母親を“大きな光”と感じ,その言葉に従ってきました。  その母親が,今は,認知症気味となり,ホームヘルパーの助けを受けています。
「違うよ。お父さんは先週帰ってきたじゃない。だから,次は来週」  恵美の言葉に,あらそう,と寧子が安心と不満の入り交じった息を吐く。四年前に亡くなった充宏が単身赴任をしていたのは,恵美が高校生のころのことだ。寧子の意識は一気に四半世紀も遡ったことになる。
 恵美は,除湿機を買うとき,メーカーサイトで選んだ機種のレビューを探り,同じ使い方をしているの人がいて,星五つのものを選びました。料理を作るとき,インターネット上で評判のいいレシピを参考にし,ものを買うときには必ず事前に口コミを調べました。  仕事で出入りしているパン屋さんが…。  気になっていた介護業者が…。ホームヘルパーが…。  「恵美はパソコンをシャットダウンした。胸に温かいものが広がっていた。」それは…。  気になった作品からどうぞ。
   目次 キャンディ・イン・ポケット ジャムの果て 空に根ざして 五つ星をつけてよ ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ 君に落ちる彗星