集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

大村はま氏の「詩」

花0215。 天気予報が伝えていたとおり“暖かい日”になりました。青空で“強い陽射し”があり,出先ではコートは着ることはなく,上着も脱ぎたくなる暖かさでした。

 明日も暖かそうです。

 昨日,次期学習指導要領改訂案が公表され,新聞が紙面を大きくとって内容を伝えていました。

 各新聞が“それぞれの切り口”の見出しであり,取り上げた内容も異なりました。昨夜のニュースも同じですが,「どれを見たか。聞いたか。」により,受け取り方は大きく違うのだろうと思います。

 無藤氏が『学習指導要領改訂のキーワード』に記していた“改定への思いや願い”は,うまく伝わらないことも多そうです。

 いくつかの解説を読んでいて,ふと故・大村はま氏(1906/6/2-2005/4/17)のことを思い出しました。

 大村氏は,同じ教材は二度と使いませんでした。二度目に使うと一度目の生徒たちの反応と比べてしまうからだそうです。その教材の準備に時間も手間もかかりますが,それがなくては授業はできないのです。しかも,準備が完璧だと思ってしまっては,それもいけないのだと言います。

 完璧だと思ってしまうこと自体がもう怪しいのです。授業は,毎回「ちょっと心配」ぐらいが,「謙虚」になり「新鮮」でいいのだと言われていました。

   優劣のかなたに

       大村 はま

優か 劣か

そんなことが 話題になる,

そんなすきまのない

つきつめた。

持てるものを

持たせられたものを

出し切り,

生かし切っている

そんな姿こそ。

優か劣か,

自分はいわゆるできる子なのか

できない子なのか,

そんなことを

教師も子どもも

しばし忘れている。

思うすきまもなく

学びひたり

教えひたっている,

そんな世界を

見つめてきた。

一心に 学びひたり

教えひたる,

それは 優劣のかなた。

ほんとうに 持っているものを生かし,

授かっているものに目覚め,

打ち込んで学ぶ。

優劣を論じあい

気にしあう世界ではない,

優劣を忘れて

持っているものを出し切っている。

できるできないを

気にしすぎていて,

持っているものが

出し切れていないのではないか。

授かっているものが

生かし切れていないのではないか。

成績をつけなければ,

合格者をきめなければ,

それはそれだけの世界。

それがのり越えられず,

教師も子どもも

優劣のなかで

あえいでいる。

学びひたり

教えひたろう

優劣のかなたで。

 大村氏が晩年に書かれた有名な詩です。

 最後の「学びひたり/教えひたろう/優劣のかなたで」の通り,学び・教えにひたりながら授業を創っていきたいものだと思います。

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