集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『屁のような人生』(水木しげる・著)

ツツジ1129。  気温が低い朝でした。  まだ,霜や氷を見てはいませんが,会った方が「今朝は,薄氷が張っていた。」と言ってみえました。まだ,「あちらこちらで…」という天候となっていませんが,それも近いようです。  明日の朝は…。  午前中,小学校で,校長先生と地域の方と一緒にお話をしました。  新校舎での学校生活に向けて,その準備と活動について,いろいろと相談ができました。  地域の方々が,子供達が元気に学校生活が送れるように協力いただけます。  ありとうございます。  話が終わって,運動場へ出ると,「○○名人(達人?)の先生」が高学年の子供達に指導をしていました。  見ていると,真剣な表情の子供達ですが,そこで見せる笑顔が変わってきました。  「できた!」「うまくなった!」「楽しい!」  喜びの笑顔です。  さすが名人です。  昨年11月30日,水木しげる氏(享年93歳)が亡くなりました。  水木しげる氏の人生クロニクルと言われる『普及版 屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版』(角川書店・刊)を読みました。  これは,水木氏の米寿を記念して発売した限定版作品集『屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版』が普及版として出版されたもので,収録内容は限定版と同一です。  本書の構成は,水木氏の人生を年代で区切り,それぞれの代表作と関係者の証言を載せ,「水木しげるの思いで語り」として当時の原稿を載せています。  出版社の図書案内では,
 少年時代の創作童話絵本や、今では読めない名作の数々も収録。水木しげるの全てが詰まった決定版。  絵が得意だった少年時代、南方の戦地へ赴いた従軍時代、復員後の紙芝居、貸本漫画家時代を経て、商業誌デビュー、そして人気漫画家へ…その人生を年代で区切り、それぞれの時期に描いた代表的作品を関係者の証言を添えて網羅的に構成。少年時代に描いた幻の創作童話絵本や、今では読めない名作の数々も収録。日本漫画界の驚異にして巨星、水木しげるのすべてが詰まった、決定版。
と紹介しています。  水木氏の人生がドラマになったり,特集されたりしたのを見て,“知っている”と思っていましたが,ほとんどの作品は,初めて読むものでした。  作品が描かれた“時代”を知って読むと,その“意味”も感じられるような気がしました。  第5章の「丸い輪の世界」「ハト」は,それぞれ考えさせられました。  “丸い輪”が見つかると毎回入っていた九太が,入らなかったのは…。その後は…。  ぐうたらな三太をどうにかしたいと相談すると「ハトを飼う」ようにいわれ,三太にハトの世話をさせると…。道徳的になったことで…。  不思議な世界から,水木氏の“教え”や“勧め”が伝わってきます。  本書の「あとがき」は,原稿用紙に自筆(?)で書かれた「偉大な高齢者」でした。
   偉大な高齢者             水木しげる  話をきくと 僕はどうやら“八十八才”になったらしい。  毎日“ユカイ”な生活をしているので気づかなかった。  じっとながめてみると 八十八才というのは高齢(コーレイ)なようである。  しかし 健康で 食物もおいしいので 八十八といっても 八才の“キモチ”であった。  やはり 人間は健康が第一のようである。  ちょっと 短いようだけども 八十八にもなると これ位しか“名言”が出てこないようである  くり返すけれども やはり“健康”が第一のようである。「うわっはっは」で終り。
 「巨匠 水木しげる」の人生と作品をなぞりながら,自分の生き方を振り返るのもよいかもしれません。  厚い一冊,「うわっはっは」と楽しめます
   もくじ 第1章 テーノーと呼ばれて 落第生の頃 第2章 軍隊はコッケイなところだった 二等兵の頃 第3章 金がないから散歩ばかりしていた 紙芝居の頃 第4章 ふくふくまんじゅうが生き甲斐だった 貸本漫画の頃  ・幽霊一家 墓場の鬼太郎  ・悪魔くん 蛙男の謎  ・河童の三平(抄)  ・鬼軍曹  ・鬼軍曹 ちょいとスリル 第5章 奇妙な人がやけに多かった 「ガロ」の頃  ・丸い輪の世界  ・ハト 第6章 妖怪イソガシに追い回されて 「マガジン」「サンデー」の頃  ・テレビくん  ・墓場の鬼太郎 おばけナイター  ・河童の三平 幽霊の手 第7章 漫画はオモチロくなければイカン 青年漫画の頃  ・百点鬼 魔女花子のいじわるな一針(草稿)  ・一陣の風  ・イースター島奇談 第8章 妖怪サンに描かされているんです 画業六十年をこえて 第9章 お化けを追いかけてシアワセになった 「怪-KWAI-」とともに 第10章 幸福は八十を過ぎてからです 家族とともに、妖怪とともに  ・花町ケンカ大将  ・落花生  ・余生 参考資料 水木しげる年譜と昭和史 あとがき