集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「市兵衛さんの桜の木」(昔話)

花929。

 旅の途中です。

 旅のお話は,また。

【ちょっと長い小咄】

 昔,桜の木がたいそう好きな市兵衛という村長がおった。

 市兵衛さんは,大和の国へ旅した時,頼んでおいた桜の苗木が届くのを心待ちにしておった。その苗木が届いたので大喜びだった。

 そこで裏の畑に何十本も植えたが,時々村のいたずらっ子たちに抜かれたりして,困っておった。

 ある日,町まで泊りがけで用足しに行かなければならない用事ができて,出かけることにしたが,留守のあいだが心配じゃった。

 そこで市兵衛さんは,小僧に留守番をしっかりと頼んだと。

「いいか,いたずらっ子たちに桜の苗木を抜かれんようにな。また,夜の間に誰かに盗まれんようにな,よーく見張っておるんじゃぞ。」と,言いつけて出かけたと。

 それから三日たって,市兵衛さんは帰ってきた。そして小僧に聞いた。

「留守番ごくろうさんやったな。桜の苗木は大丈夫やったか。」

 すると小僧は,

「はい,どうも夜は用心が悪いんで,みんな抜いて納屋にしまっておきましただ。」

 参考;「とんと昔の笑い話」

【おまけ】

 星の大きさの違い,宇宙の広がりを感じます。

 少し長いですが,ご覧になってみてください。