『スクールリーダーのための「超」時間術』(玉置崇・著)
東北地方に上陸した台風10号は,記録を残すだけでなく,大きな被害を残して通過していきました。
早い復旧を祈ります。
今日は,雑節の一つ「二百十日」です。立春から210日目で,台風の多い日もしくは風の強い日といわれますが,記録的には事実ではなく,「野分(台風)に気をつけ,備えなさい」という先人の知恵のようです。
今日で8月が終わります。
多くの学校が夏休みを終え,明日から2学期(前期後半)が始まります。
先生方は,各種の研修や業務で夏休み中も“忙しかった”でしょうが,学期中は「時間がなくて…」と口にされていた方も,時間にゆとりがあったと思います。
そのゆとりは,“自分で決めて過ごせる時間”が多かったからでしょう。
普段の生活も,「時間に追われる」のではなく「時間を追う」ようにすれば,もう少しゆとりが生まれます。
そのヒントが友人の新刊『仕事に押し潰されず、スマートに学校を動かす! スクールリーダーのための「超」時間術』(明治図書・刊)に詰まっています。
玉置氏は,「はじめに」で,時間術について,
一般的な時間術本の多くは,主に「時間を短縮する術」が紹介されていますが,私は,そればかりではなく,「時間を有意義にする術」「時間をかける術」も,有効な時間術と考えています。 「時間を有意義にする術」とは,(略) そして,「時間をかける術」とは,仕事の「量」よりも「質」を高めたり,ミスややり直しを防いだりするために,あえてひと手間をかけるという時間術です。と述べています。 教育・学校においては,単に「時短」することが“よい時間の遣い方”とは言えず,「質」の高いもの,「内容」の濃いものを求め,それに“応える時間の遣い方”が必要です。 その時間を生み,活かしていく方法が64項目で述べられています。 夏休み明けの生活をピリッとさせる言葉と行動が見つかると思います。 教育に携わるみなさん,お勧めです。 第1章のなかに「誠意はスピードに表れる」という項があり,他でも言葉が出てきます。 教職員に限らず社会人として大切な“早さ・速さ”について,素敵な言葉だと思います。 船井幸雄氏は「即時処理(即時に仕事を処理する)」という言葉を使い,これは自分のためでもありますが,自分以外の人に対する思いやりでもあると言っていました。これに学び「即時処理」を使っていましたが,「誠意はスピードに表れる」は若手に伝わる言葉だと思います。 中村文昭氏の鉄板ルールの一つ「そのうちと言わず今出来ることをやる」も同じことを求めています。 若い時,「研究紀要の原稿を求められたら,一番に出しなさい。」と言われたことがあります。これは年齢の話ではなく,「最初のものがひな型になるから,後の人が合わせてくれる。」というものでした。 時間術の視点で言えば,「他の人はどんなことを書いたかな…」と出されたものを参考にし,そこから書き始めていては,「参考にして,あれこれ考える時間がムダ」なのです。さらに,後になればなるほど,“ひな型”との違いを指摘され修正が求められることもあります。 「頼まれ事は試され事」(中村文昭)ですから,分担された時から「誠意はスピードに表れる」での対応が一番です。 時間を生み出す話題で「TTP」という言葉がありました。 TTP = 徹底的にパクる。 これで時間を生み出し,そこから「質」を意識する時,この発展形が参考になります。 TKP = ちょっと 変えて パクる。 OKP = 思いっきり 変えて パクる。 あさ,「時間を有意義にする術」「時間をかける術」を,本書を片手に探っていきましょう。
もくじ はじめに 第1章 玉置流 スクールリーダーの時間術の原理原則 第2章 繁忙期を難なく乗り切る時間術 第3章 ピンチを素早く切り抜ける時間術 第4章 日常のタイムロスをなくす時間術 第5章 役職別 毎日の業務がみるみつ片づく時間術 第6章 リーダーとしての資質を高めるための時間術【関連】 ◇三楽の仕事日記 ◇玉置研究室 ◇玉置崇(Facebook)