『浮遊』(高嶋哲夫・著)
今日は,雨空の一日でした。
“雨降り”という状況はありませんでしたが,「いつ降り出すのか」と心配な空模様でした。
台風7号が発生し,週半ばの影響が予想されています。
今後の台風の動きに注意し,必要な備えや対応を。
月遅れの盆。
迎え火,初盆・新盆の法要,施餓鬼の法要,送り火,墓参り…
先祖に感謝。地域に感謝。
『今日、僕は、脳だけになった!?』
と帯にあり,タイトルが“脳の画像”と人の姿がある表紙が印象的な『浮遊』(河出書房新社・刊)を読みました。
これまで,高嶋氏の作品は『首都崩壊』(2014年8月)や6日 (水) 『富士山噴火』(2016年1月)など“災害”に係るものを読みましたが,今回は医学に係る内容でした。
日本の脳研究の最前線を走る医師 本郷教授と婚約者の秋子医師が乗った自動車に向かってトラックが…。
交通事故です。
大事故で肉体がズタズタになりますが,彼の「脳」は無傷です。
彼女は,一命をとりとめますが…。
K大学医学部脳神経外科研究棟305号室で,「脳」が聴くことは…。
「脳」が考えることは,生きているのか。
人は,何をもって死となるのか。
思考とは? 自分とは? 考えさせられました。
・不思議な気分でした。自分の死を悟っても,思ったほどの驚きはありません。それは「死」と「生」とのギャップが,今まで考えていたものほどかけ離れていなかったからかも知れません。僕は今,存在している。以前と同じように思考している。 ・人はいずれ必ず死ぬ。人の究極の姿と死の姿を僕に見たのではないでしょうか。 ・「そういう言い方はないだろ。これは人間じゃないと言うのか。だったら,なんだんだよ」 「思考の塊とでも言うのかな。思考が髄液の中に浮かんでいるんだ。浮遊する思考。なんだか,ロマンチックな感じもするな」 ・人は忘れることによってしばしの休息を得るのです。しかしそれは気休めにすぎません。本当に忘れ去りたいことは,精神(こころ)の奥ではけっして消し去ることができない悔恨となってくすぶっているのです。 ・彼らのためと思ってやっていたことも,実は自分の満足のためだったのかもしれない。それがどれだけ人を傷つけていたか…その事実を思い知りました。【関連】 ◇高嶋哲夫オフィシャルページ 【今日の小咄】 友人に,間違えて「キック!」と叫びながらパンチをかましてしまった。 友人いわく,「山田,それ前足だったんだぁ」