集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『感情と勘定の経済学』(友野典男・著)

花727。  曇り空の一日でした。  「晴れるかな」の思いは,外れました。屋内で過ごしました。  普段使いのWindows7機のバックアップとWindows10へのアップデートを行いました。  「○○ソフトが不適合で,アップデートできません」という機種ですが,該当のソフトを削除して作業をしました。  アップデートしましたが,普段使いには○○ソフトがないのは,“少し”困ります。  イメージで保存して,Windows7に戻しました。  使い慣れたOS,○○ソフトが使えて安心します。  文字にするとこれだけのこいとですが,時間的には“まるっと一日”かかりました。  「7月29日まで…」に,ちょっと無理してしまいました。  「行動経済学」では,かつて『世界は感情で動く』(マッテオ・モッテルリーニ・著)など翻訳本が話題になり,それらを読みました。  この本も,行動経済学から,日々の生活の中で「ある,ある。」と感じることが説明されています。  『感情と勘定の経済学』(潮出版社・刊)です。  各章は「エピソード」から始まります。  第1章は『「特売」「現品限り」の末路』です。  特売はともかく,食品などに「期間限定」や「季節限定」と付いていると,つい手にしていることがあります。  “お得感”を感じさせる言葉です。  さて,その“末路”とは…。  人が意思決定をするシステムに二つあるとしています。
システム1 直感や感情に基づいて判断や決定する脳内のシステム システム2 複雑な計算を行ったり,選択に迷ったりする時に作動する脳のシステム
 これは新しいものではなく,今までにある説明ですが,例示の中で,人の判断・決定の動きをシステム1,システム2で解説していきます。  著者は「目新しい言葉を使うことで,読者の記憶に残ることを狙っている」とのことでしたが…。  説明や解説では,必要な専門用語は,“逃げず”に使われています。  「どこかで聞いた」という用語もありますが,「へぇ〜,そう言うんだ」と初めて耳にする用語が多く出てきます。  その都度,用語の説明があり,“迷子”にならずに読み進められます。  トピック的な言葉もあり,初めて見るものもありました。  「霊感商法の五つの柱」というのがあり,「ちょびっとしんけん」だそうです。
「ちょ(儲)」…儲かりますよ。 「び(美)」…美しくなりますよ。 「と(頭)」…頭が良くなりますよ。 「しん(信)」…信じれば幸福になりますよ。 「けん(健)」…健康になりますよ。
 5つのことには,システム1が作動し易いようです。  お気をつけください。  第4章に「お金で解決してはいけない世界」の項がありました。
 共同体原理の内部に,「お金」を持ち込むとそれは市場原理の世界に変わってしまい,一気に共同体という意識が壊れてしまいます。
 一読して「なるほど」と思いました。  しかし,「これからの共同体におけるボランティア活動」を考えると,「本当か?」と受け入れがたいものを感じました。  この点は,今後の課題です。  あなたの“経済”を考える一助にいかがですか
目次 第1章 なんでこんなの買っちゃったんだろう―クリティカル・シンキング 第2章 ダイエットはなぜ失敗する?―計画の錯誤 第3章 得するよりも損したくない―損失回避 第4章 ないと困るけど、あると怖いもの―お金の魔力 第5章 「みんなやっていること」に乗っかりますか―同調性 第6章 「相手を信じる」社会は強い―信頼と協力 第7章 世の中はリスクにあふれている―安全と安心 第8章 お金で幸福は買えるのか?―行動経済学と幸せ
 以下,備忘録としてのメモ。
・モラルや社会規範は,ベースに道徳心があったとしても,具体的な言動として表れてくるには,ある種の同調性の後押しが必要なのです。 ・損失回避性が強く働くと,先ほど述べましたように,新たなチャレンジをしてリスクを侵そうとはしなくなります。こうした傾向を現状維持バイアスと呼びます。  この現状維持バイアスに関連して,「保有効果」というものについての面白い実験が(略) ・一つは罰則を設けるということが考えられます。(略)  もう一つはメンバー間のコミュニケーションです。(略) ・寺田虎彦の言葉に「正しく怖がる」というものがあります。(略)  この「正しく怖がる」ことが,とても難しいのです。  「客観確率」を知ったからといって,それで正しく怖がれるわけではありません。 ・「感情労働」という言葉があります。頭脳労働,肉体労働という言葉は日常用語ですが,感情労働という(略) 感情労働とは,自分の感情を抑えて,お客や相手の感情に十分配慮しないと任務がまっとうできないような仕事を指します。