「正しい選挙」
どんよりした梅雨の日でした。特に用事もなく,屋内で過ごした一日でした。
「英国のEC離脱」の衝撃が大きく,世界経済や政治情勢の先行きへの不安が,ニュースなどで大きく取り上げられています。
第24回参議院議員選挙の選挙活動が7月10日の投票日に向けて“熱”を帯びています(?)。
今回の「選挙権の年齢が18歳に引き下げられた」ことが大きな話題になっていますが,“先行きの不安”に応えられる“熱”は伝わってこず,投票を悩んでいる方が多いようです。
そのなかで「投票できない若者」の存在が,今日の新聞記事にありました。
◇下宿生の扱い、揺れる選管 住民票が実家なら投票は?(朝日新聞)
◇18歳選挙権 住民票移さぬ下宿学生 投票できる?できない? 自治体判断ばらつき(毎日新聞)
「法」の趣旨はわかりますが…。
そして,「住む・住居」について考えさせられました。
みなさん,「誰に?」「どこに?」投票するか決まりましたか?
※写真は,新城市選挙管理委員会Facebookより借用
選挙権年齢の引き下げで,学校で選挙について「教えること」が話題になり,出前講座などのようすがニュースで流れたりしていました。 昔の「修身」の教科書には,選挙について「正しい選挙−開票の日」があったようです。 以前読んだ『修身』(データハウス・刊)には,次の文章で載っていました。 ◇「私たちの道徳」と「修身」と。(2014年3月21日 『福禄寿』(仕事日記から;サブ))
選挙権年齢の引き下げで,学校で選挙について「教えること」が話題になり,出前講座などのようすがニュースで流れたりしていました。 昔の「修身」の教科書には,選挙について「正しい選挙−開票の日」があったようです。 以前読んだ『修身』(データハウス・刊)には,次の文章で載っていました。 ◇「私たちの道徳」と「修身」と。(2014年3月21日 『福禄寿』(仕事日記から;サブ))
正しい選挙−開票の日 日曜日の午後,遠くから,号外の鈴の音が聞こえてくる。僕はすぐ外に出た。今日は新聞屋さんの威勢がいい。受け取ってみると,大活字の見出しが飛び込んでくる。 −−市会議員当選者決定 父が待ちかねてやって来て,ざっと眺める。 「ほう,大体いいね。わたしの予想がほとんど当たった。それにしても山川さんは今度もまた一位か。千二百三十九票とは恐れ入ったね」 「山川さんは,どうしてそんなにいつも一位なんでしょう」 「いや,全く偉いからさ。教養が高くて,第一,自分の身を投げ出しても人のために尽くす人だ。市政上の意見もしっかりもっている」 父の言葉は,興奮でほとんど感嘆の声である。 「おとうさんも山川さんに投票したのですね」 「いや,たとえ家族であろうとも,それはお前に言うべきことではないのだよ」 いつもはなんでも教えてくれる父が,この時は厳しく調子を改めて言った。 「道雄,選挙というものは,そもそも自分でこれと思う立派な人物を判断して,自分で投票するものだ。人に聞いたり,しゃべったり,ましてや人に頼まれたりしてはならないものだ。人情や欲に目をくらませては,個人の責任で本当に立派な人に投票する,という選挙の根本精神に反するようになる。これは大事なことだからね。よく覚えておくのだよ」 その時,母が買い物から帰ってきた。 「まあ当選の号外ですのね。今度は皆立派な方ばかりのようですね。この前,いろいろうわさのあった人は,一人も入らなかったようですね」 「ああいう連中が今度も当選するようでは,選挙もおしまいだよ。今回は何よりも棄権者がほとんどない。有権者の自覚の証明だ。中風で足もろくろく立たないおじいさんが,皆に連れられて入っているのを見て,私は思わず涙が出てしまったよ」 「あなただって,旅行先からわざわざ帰ってらして投票なさったし。本当に関心ですね」 「皆が投票の義務を強く感じれば,自然と今回のようなよい選挙になるのだ。何だか降り続いた雨が,ようやく晴れたような心持ちだね」 父は窓の彼方を眺めながら,独り言のように言った。昔は,同じ「修身」の教科書でしたので,皆がこの物語で“投票に行く”ことを学びました。 現在の「道徳」や「特別活動」では,同じ物語(教材)で同じように学ぶことはありませんが,意識を育み高める授業や活動が行われます。 でも,実際の選挙で投票をするのは,“社会人”の方々です。 先の物語のような会話が,それぞれの家庭でされることが肝心だと思います。 ご家庭で,選挙や投票についてお話しされていますか。 【今日の小咄】 選挙の前日の午前中,立候補者が「最後のお願いに参りました。」と言って回っていた。 午後,また来た。