昭和56年の「P→D→S」
今日は「雨」。梅雨の一日。
古い文書のなかに「第95回 教職員等中央研修講座 報告書」がありました。
昭和56年度の研修会に参加した県内4名がまとめた冊子です。
53ページの冊子は,すべて手書きです。
当時として普通のことですが,書き手の“人柄”を感じる原稿です。
冊子に感心しながらも,「手元にある」ことに疑問があります。
この時,教員2年目の“若僧”です。報告書を書かれた4名(校長・園長・教頭)は,他地区・他校の方です。
教頭先生の一人は市内の方ですが,全教員に配ったとは思えず,出所が不明な冊子です。
冊子をみていくと「合同講義22 学校経営」がありました。
「管理」から「学校経営」へと変わっていく時期の先取的な内容です。
ここに「学校経営の基本」の項があり,4つがあげられていました。
その最初に「P(計画)→D(実施)→S(評価)」があり,「教育課程の評価を考えるのは当然だが,学校評価を考えるところは少ない」と書かれていました。
また,3つ目は「POSDCoRB」があり,調べてみると,ルーサー・ギューリックが定型化した組織管理の手法でした。
「学校評価」は,今では“普通”のことですが,平成19年に法制化されるまでは,「それは何をするの?」と言う方も多かったと思います。
そして,学校マネジメントが言われるようになり,「P(Plan)→D(Do)→S(See)」ではなく,「P(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Act・Action)」がサイクルとして一般的になりました。
ところが,以前から,当地で“同様の取り組み”を経験していましたし,その意味や価値が,学校内で語られていました。そのため,法制化の際に,特別なこととは思いませんでしたし,新しさも感じなかったように記憶しています。
今回の資料で,その「元」が分かった気がしました。
中央研修講座で「これからの教育」を学んだ方々が,その理論や考え方を広め,それを実践して“周囲に発信”してきたからです。
形だけでなく,「それはなぜ」「そのよさ」を確実に後進につなげてきたからでしょう。
振り返って,現在の「研修の成果の広がり」はできているでしょうか。
「時代が違う」かもしれません。多様化のなかで,一つの方向を示すのは難しいかもしれません。
でも,「大切なことは確実に実行する」ことが肝心なのだと思います。
冊子のなかに,こんな表記もありました。
「物が,人の役に立っているか」
文脈から,“もの”を揃えることで教育が充実するのではなく,「役立てる」ことが教員の考えることだと警鐘を鳴らしている言葉です。
今,人(子供,教師)が生きる“学校経営”がされているでしょうか。
【今日の小咄】
車にあやうく轢かれそうになる経験をした。
母に「本当に危なかったよ。もしかしたら,今日私のお葬式になっていたかもしれないよ。」と言うと,母は「馬鹿だねえ。今日死んだのなら,お葬式じゃなくてお通夜だよ。」