『朦朧戦記』(清水義範・著)
もう少し天気の良い日になることを期待していましたが,曇りの一日でした。
まだ寒気がおおっているようで,気温も上がりませんでした。日中にストーブを点けて,部屋を暖かくしました。
明日は下り坂の天気のようです。春の陽気は,もう少し先?
図書館で清水義範氏の本を,久しぶりに手にしました。
題名の「朦朧」,表紙の「短剣付きの銃をもった老人」,そして老人が主役らしい『朦朧戦記』(新潮社・刊)にひかれました。
出版社の説明には,
***************
長生きするだけが能じゃない! 超高齢化社会に活を入れる「老楽」小説。
思い残さず、生きようじゃないか。ホームで無為な余生をおくる老人たちがある日突然、覚醒した。退屈しのぎに始めたクイズ大会が次第にエスカレート。あの頃の恋愛、戦争、革命を夢見て、性も闘争本能も解放して突っ走る彼らを、もはや誰も止められない。どうなる日本……ユーモア小説の雄、破茶滅茶な展開で加齢なる復活。
***************
とありました。
1部,2部と話が進み,第九章では,こんな言葉があります。
***********
「我々は日本防衛義勇軍である。我々は日本を守るために武器を取って立ち上がった。団塊全共闘たるテロ集団のテロ活動を阻止するため,これに戦闘を挑むものである。団塊全共闘は我々の手で断固制圧する。言うまでもないことながら,我々は一般国民をテロから守るためにこの戦闘をするものであり,一般人には決して危害を加えるものではないことを明言する」
***********
「日本防衛義勇軍…??」
「団塊全共闘…??」
他にも,第二部で「団塊アゲイン党」「秘密倶楽部」など不思議な団体・集団が登場し,そこまでに「合コン」「同窓会」「海外旅行」「敬老クイズ大会」で,“団塊老人”が元気になってきます。
清水氏の“毒のある老人の描き方”を楽しみました。
この本に描かれるように,今の社会は“元気な団塊老人”が作っているように思います。
こんな老人生活は,楽しそうです。
【目次】 第一部 第一章 敬老クイズ合戦 第二章 旅の恥はかき捨て 第三章 すったもんだの同窓会 第四章 耄碌してても合コン 第二部 第五章 秘密倶楽部 第六章 この上なく楽しい遊び 第七章 団塊アゲイン党 第八章 団塊全共闘 第九章 日本防衛義勇軍【今日の小咄】 我が社に「おれがやらなきゃだれがやる」という標語のポスターがあった。 ある日見ると,「だれが」の「が」の濁点が削られ,「おれがやらなきゃだれかやる」になっていた。