3-9 特別支援教育 （新しく先生となるみなさんへ）

　雨が上がり、晴れて寒くなりました。昼頃には空に雲が広がり、一層寒くなってきました。 　一雨ごとに冬が近づいてきます。 　午前中、豊川沿いに紅葉を見ながら走りました。彩り豊かな木々の葉を愛でました。 　平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。 　当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。その冊子（平成19年度）から紹介します。 ＊＊＊＊＊＊＊＊ 　　　　教員の知っておくべきこと 　　　　9　特別支援教育

　｢特別支援教育｣とは，障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援する視点に立ち，幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握しその持てる力を高め，生活や学習上の困難を改善又は克服するため，適切な指導及び必要な支援を行うものである。（｢特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)｣　平成17年12月　中央教育審議会)

　特別支援教育を推進するためには，障害のある児童生徒等の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち，児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し，その持てる力を高め，生活や学習上の困難を改善又は克服するために必要な支援を行う必要がある。したがって，特別支援学級に在籍している児童生徒に加え，通常の学級に在籍するＬＤ（学習障害），ＡＤＨＤ（注意欠陥／多動性障害），高機能自閉症等の児童生徒に対しても適切な指導及び必要な支援を行うことが必要となる。 　従来，障害のある児童生徒に対する指導が，小・中学校の特別支援学級及び通級指導教室や特別支援学校（盲学校・聾学校及び養護学校）を中心に行われてきたのに対し，特別支援教育においては学校全体で総合的に対応することが大切であり，すべての教員が適切な教育的支援を行えるように研修を深める必要がある。

　学校教育法が一部改正され，平成19年4月1日から盲･聾･養護学校は特別支援学校に，特殊学級は特別支援学級に改められた。なお，本県では特別支援学校として，視聴覚障害者に対する教育を主として行う盲学校，聴覚障害者に対する教育を主として行う聾学校，知的障害者･肢体不自由者又は病弱者に対する教育を主として行う養護学校を設置している。

(1)　通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の指導 　　通常の学級に在籍するＬＤ，ＡＤＨＤ，高機能自閉症等の児童生徒への教育的支援は，障害についての正しい理解をもとに，個々の教育的ニーズを的確に把握し，保護者・専門家・医療機関等との連携を図りながら，特性に応じた適切な指導を全校体制で行うことが必要である。 　ア　校内委員会等において，特別な教育的支援を必要とする児童生徒を的確に把握し，個々のニーズに応じた支援の方策を具体化し，全教職員が共通理解しながら支援に取り組む。 　イ　特別支援教育コーディネーターを中心に，学校外の専門家や関係機関等と連携して，特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援に当たる。 (2)　特別支援学級，通級指導敦室における指導 　特別支援学級には，弱視，難聴，知的障害，肢体不自由，病弱・身体虚弱，言語障害，情緒障害を対象にした学級がある。 　一方，通常の学級に在籍し特別な支援を必要とする児童生徒に対しては，各教科等の授業は通常の学級で行い，障害の状態に応じた［特別な指導］（自立活動及び教科の補充指導）を特別な指導の場（通級指導教室）で行うことができる。 (3)　本県の特別支援学級等の現状 　本県の特別支援学級・通級指導教室及び義務教育段階の特別支援学校の現状は，右の表のとおりである。 　特別支援学級は，小･中学校全体で1,714学級が設置され，5,757人の児童生徒が在籍している。 　また，通級指導教室は，81教室が設置され，999人が通級している。 　特別支援学校には，小・中学部全体で833学級が設置され，3,248人が在籍している。なお，養護学校には，知的障害養護学校，肢体不自由養護学校及び病弱養護学校がある。 　これからの教育を受けている児童生徒の全学齢児童生徒に対する割合は、1.39％である。　　 ＊＊＊＊＊＊＊＊ 　注）これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で 　注2）掲載しているイラストは、学年通信（1993・1994年度）用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。 【関連】 　　◇特別支援教育（文部科学省） 　　◇特別支援課（愛知県） 　　◇第19章　教育 （令和3（2021）年度刊愛知県統計年鑑）（愛知県）