2-8 評価の在り方(2) (新しく先生となるみなさんへ)
天気が回復し暑い日になりました。
平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
8 評価の在り方
(3) 望ましい学習評価の在り方
評価に当たっては,教育活動の特質や評価の目的等に応じ,評価の方法・場面・時期などが最も適切であるかどうか検討することが大切である。
次の図は,指導と評価の関係の一例を図式化したものである。
ア 評価の時期
(ア) 学習前の評価
適切な単元(題材)目標を設定し,学習計画を立てるためには,既習単元(題材)での学習後の評価や子供の実態をあらかじめ把握しておくことが必要である。
(イ) 学習過程での評価
授業中に起こる子供の変容の過程を,的確に予測することはなかなか難しい。したがって,学習過程における評価を計画的に位置付け,目標の実現の状況や子供の学習の状況を把握し,その後の指導に生かすことが大切である。
(ウ) 学習後の評価
一つの単元(題材)や1時間の学習を終了したときに関心・意欲・態度,思考力・判断力,技能・表現力,知識・理解について学習の成果を総合的に評価し,目標の実現状況を把握する。
イ 評価の内容
知識や技能の実現状況を的確に評価することはもとより,自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの資質や能力までを含めた学習の実現状況を適切に評価することが大切である。
ウ 評価の方法
基礎的・基本的な内容の確実な習得を図る上で,目標に照らしてその実現状況を見る評価(いわゆる絶対評価)を一層重視していくことが大切である。また,子供一人一人のよい点や可能性,進歩の状況などを評価するため,個人内評価を工夫することが重要である。
具体的な方法としては,ペーパーテストのほか,観察,面接,質問紙,作品,ノート,レポートなどを用いることが考えられるが,学習活動の特質や子供の発達段階などを考慮して選択したい。
エ 評価の主体
評価は教員だけで行うのではなく,目的に応じ,子供による自己評価や相互評価を生かすことや,保護者による評価,教育活動に協力した地域の人々などによる評価を参考にすることなども有効である。
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注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
【関連】
◇「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(文部科学省)