集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『絵でわかる10才からのAI入門』(森川幸人・著)

花0313。 天気の良い暖かい日になりました。  この冬は寒さの厳しい日が続いていましたが,やっと暖かくなってきたので,タイヤ交換をしました。 ところが,夏タイヤに釘が刺さっていました。冬タイヤに交換するときには気づきませんでした。いつ刺さったのか分かりませんが,空気も抜けずに仕舞われていました。  安全運転ができるようタイヤを直します。  日常的に「AI」という言葉を耳にするようになりました。どのような暮らしぶりをしていても,無関係ではいられないものです。  ゲームAI設計者の著者が,子供に向けて語る『絵でわかる10才からのAI入門』(ジャムハウス・刊)は,科学読み物レーベル「ときめき×サイエンス」シリーズ第8弾です。
 今や私たちの生活に深く関わっていて、切り離しては考えられないAI(人工知能)。車や電子レンジ、エアコン、そしてゲームなど、私たちをとりまくさまざまなものの中でAIは働いています。  そんなAIを、長年AI研究の第一人者として多方面で活躍している著者が、子どもたちに向けてイラストをまじえつつ、わかりやすく解説した一冊です。
 子供に向けた文章で,文字にルビが振られ,一項目の説明は短くまとまっています。そしてイラストが添えられています。  また,説明に差し込むように“コラム(?)”が黄色背景で載り,子供の興味を広げていきそうです。  第1章最初のページから下部に「AI冒険学習マップ」がありました。これは,巻末に載る「宝箱へのルートを探せ! 」のもので,ゲームを通してAIの学習方法を体験するためのものでした。  本文を読み終えて,指示に従って練習コースから本番(?)の宝箱へのルートを探っていきながら,AIの「強化学習」を体験できました。  AIやロボットの発達によって,「仕事が奪われる」と脅威が言われます。その通りだと思いますが,避けられるものではありません。そのことに関わって,著者は
 AIの問題でよく言われるのが,「AIに人間の仕事をうばわれてしまうのではないか」というAIのきょうい論です。確かに,AIが人間に代わってできるようになる仕事は今後どんどん増えていきます。では,それで人間の仕事がなくなってしまうかというと全然そんなことはありません。AIがふきゅうすることで,今度は今までになかったサービス(仕事)が生まれてきます。ですので,仕事がうばわれると同時に仕事も増えていくというわけです。減る仕事の数にくらべて増える仕事の数の方が多くなることでしょう。
と述べています。  増えていく仕事(職業)に向けて,それを創っていくことを,子供達に期待します。  そのために,AIとは何か,AIの仕組み,AIの限界,AIの可能性,AIへの期待など,本書を通して学び(知り)たいと思います。  どのようにAIが“学んで”きたか  過去2回のAIブームが収束したのはなぜか  AIに得意なことは何か  AIが苦手なことは何か  ゲームAIが作られていくなかで  自動車の自動運転を実現するのは  ……  子供向けの図書ですが,大人のみなさんにもお薦めです。  読書メモより
教師なし学習は,一見回りくどくて効率が悪い学習法のように思えますが,実は,とても重要な学習方法なんです。  たとえば,将来,人類が火星に行くような時代になったとき,地球からの観察やシミュレーションでは(略) ○ 最近になって,「GTP-2」「GTP-3」という新しい自然言語処理(日常的に使っている言葉をコンピューターであつかう技術のおと)のAIが開発されましたが,これを使って,今,AIの会話機能が進化しています。 ○ では,なぜ,人間の形に似せる必要があるんでしょう。  一言でいうと,家の中のもの全てが,人間にとって(略) ○ このロッコ問題はとても極たんな条件の問題なので,そもそも,トロッコ問題なんて起こりえるのか? 起こりえないことを論議したり教えたりするのは意味がないのでは? という反対意見もあります。 ○ AIは人間の知識の限界をこえつつあるので,未来のAIにとってはトロッコ問題自体がそもそもが「ない」んもかもしれませんね。 ○ 人と人同士ならわかるでしょうというつもりで使った一言がとんでもない悲劇を招く可能性が出てくるわけです。 ○ 大きく変わるのが,最大公約数からプライベートへというところ。ここが一番大きな転かん地になると思います。
   目次 はじめに 第1章 AIってなに? 第2章 AIの考え方、人間の考え方 第3章 人間が得意でAIが苦手なこと、人間が苦手でAIが得意なこと 第4章 AIとゲーム 第5章 AIとロボット 第6章 AIと車 第7章 AIとスマートシティー 第8章 AIと医りょう 第9章 AIとニュース 第10章 AIと教育 第11章 その他の領域 第12章 アートとAI 第13章 未来のAIと人間 第14章 なぜAIのことを理解しないといけないのか AIの学習方法を体験してみよう おわりに
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