『N/S高投資部の教科書』（N/S高投資部・著／村上世彰・監修）

　朝から晴れた日で，気温が上がり，暖かい日になりました。 　午前中，外で活動すると，少し動いただけで汗が出てきまいた。午後になると強い風が吹き，その音に寒さを感じさせられました。 　来月（2022年4月）から，高等学校で“資産形成の授業”が始まります。新学習指導要領・家庭科編（p.38-39参照）に，次のような内容が盛り込まれました。

ア 　家計の構造や生活における経済と社会との関わり，家計管理について理解すること。 イ 　生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について，ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること。 ウ 　(略) 将来にわたるリスクを想定して，不測の事態に備えた対応などについても触れること。

　自分の進学，進路，仕事，老後といったキャリアやライフステージを具体的に考え，それに備えることができるようにしようということです。そして，事故や病気など人生のさまざまなリスクに備え，社会制度を学ぶこと，資産形成することが重要であることを理解し，行動できるようにすることが目的です。 　そうした話題の参考にしようと，高校生が学んだ『読んだら一生お金に困らない N/S高投資部の教科書』（東洋経済新報社・刊）を読みました。 　著者は，インターネットと通信制高校の制度を活用する“ネットの高校”のN高等学校・S高等学校の部活動です。そして，特別顧問である投資家の村上世彰氏が監修しています。 　これから資産形成を学ぶ高校生，少し上の大学生の“教科書”としてお薦めです。 　そして，これから資産形成を教える“先生”には，すぐに読まれることをお勧めします。その時は，まず「6時間目」から読まれるとよいでしょう。

LESSON6-1　大人の常識は子どもの非常識 LESSON6-2　大人も知らない未来の働き方 LESSON6-4　自分なりの幸せの基準を持つ

　LESSON6-1で，お金についての「お祖父さん，お祖母さんの頭の中」の価値観から，平成という時代を働いてきた“お父さん，お母さん”の意識を述べ，そこから“高校生の君たち”へお金や投資に対する意識を高めることを伝えています。 　先生が，お祖父さん・お祖母さん，お父さん・お母さんの意識から抜け出て，これから・未来に向けて資産形成を学ぶことを理解し，指導に向かえるように思います。 　みなさん，本書を手に“投資”をしてみませんか。 　資産を増やすということ以上に，社会を深く知る，未来を考えることができ，わくわくする生き方・キャリアができそうです。 　読書メモより

○ それは，スコップを売った人です。自分は汗水垂らすことなく，金を掘る人にスコップを売るだけで，たくさんのお金を手にすることができたのです。 ○ お金の必要性の4段階 　　第1段階　自立して生きるのに必要なお金 　　第2段階　やりたいことをするためのお金 　　第3段階　不測の事態に備えるためのお金 　　第4段階　他人や社会のために使うお金 ○ 投資の目的は，社会をより良くするための製品やサービスのアイデアを持っているけれども，お金が無くてなかなか実行に移せない会社や人たちに資金を提供することです。 ○ 数字を読む習慣を身につければ，おおまかにでも世の中の動きが把握できるようになります。 ○ 相場の格言で，「相場は悲観の中に生まれ，懐疑の中に育ち，楽観の中で成熟し，幸福感の中で消えていく」という言葉があります。 ○ 「価格＝価値」ではなく，価値と価格の間には乖離が生じるものなのです。 ○ 大事なことは，失敗した時にはどの原因を把握し，なぜ失敗したかを検証することです。そして，二度と同じ失敗を繰り返さないことです。 ○ 大事なのは，お金が世の中に上手く循環するような使い方をすることです。 ○ 高校生の君が，お金や投資の正しい知識を身につければ，社会人になった時に，第4段階に向けて，このステップを上がっていけるでしょう。

　　　目次 はじめに 1時間目　お金はお金を生む卵 2時間目　貯めたお金を「株式投資」で増やす！ 　特別授業　村上世彰が語る「生涯投資家としての生き方」 3時間目　期待値がお金を増やす！ 　特別授業　N/S高投資部のメンバーがIR担当者にいろいろ質問してみた 4時間目　「価値」と「価格」のギャップを探す！ 　特別授業　会社四季報業界地図編集部が教える「きらっと光る会社の見つけ方」 5時間目　シナリオをもとに売買する！ 　特別授業　藤野英人が語る「良い投資家が学ぶべきこと」 6時間目　一生お金に困らない人生を手に入れる！ おわりに Special Thanks! 参考文献

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