集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『マナーはいらない 小説の書きかた講座』(三浦しおん・著)

花0922。 雨の日でした。日中は強く降りませんでしたが,午後遅くになって,雷鳴とともに強めの雨になりました。  明日は晴れるようです。“秋晴れ”が続いて欲しいが,どうでしょう。  先週,5月のツイートされた子供の言葉がネットで話題になっていました。  かものがあこ@harugako さんがツイートで,
 3、5、7歳にマッチ売りの少女を読んであげたんだけど、全員の感想が「ところでマッチって何?
と…。  「マッチを知らないのか…。」と驚かれる方がみえるでしょうが,その方が「知ってて当たり前…」と思われていることの多くが,子供の生活から消え,それを“知らないのが当たり前”になっていそうです。  おとぎ話や昔話を聞かせるとき,そのまま話すのか,今に合わせて変えるのか。迷います。  でも,おとぎ話や昔話を“そのまま”の原文(?)で聞き,育っていく子供でいて欲しいと強く思います。  図書館で“読む本”を探していて,「○○の書き方」が並ぶ中で,小説を書こうというわけではありませんが,『マナーはいらない 小説の書きかた講座』(集英社・刊)を選びました。  題名の“マナー”に合わせて,表紙は西洋皿の上にタイトルがあり,フォークとナイフそして万年質が縛ってありました。このマナーは,内容が“フルコース仕立て”にされていることだったことが,読みだして分かりました。
 全二十四皿って多すぎるだろ。いくらなんでもおなかが破けちゃうだろ。コラムは,「お口直し」という項目になっています。
 このお腹が破けちゃいそうになったのは,「集英社Webマガジンコバルト」で連載されていたものを単行本化したもので,ちょっと欲張ったからでしょうか。
 三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた講座。 (略)  長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書!
 本を開いて,一皿目が「推敲」でした。ちょっと意外でした。  食材(素材)を選ぶ,食材(素材)を調理するといった話かと思いましたが違いました。自分には小説は書けないようです。  著者の“創作への姿勢”と“創作物への姿勢”があふれて,魅力的な語りが続きます。  本書を読んで,小説を書きたくなるかもしれません。  書いてみませんか。  読書メモより
○ なによりも,「この作者は,『読者に読んでもらおう』という意識が低い。すなわち,自作に対する客観性がないということだ」と判断されてしまっては損です。だからこそ,時間には余裕をもって,プリントアウトの書式も含め,作品は丁寧に仕上げていきたいのです。 ○ 三人称はおおまかに言って,「単一視点」と「多視点」にわけられるでしょう。現代の(特にエンターテイメント)小説で主流な三人称は,単一視点のほうだと見受けられます。  「三人称単一視点」とは,以下のようなものです。 ○ このあたりまでは,わりとまっとうに小説の書きかたについてお伝えしようとしていた気がするのだが(気のせいかもしれない),案の定,今後どんどん「ひとそれぞれ」的なことを言いはじめる。ひとそれぞれ。便利な思考停止の言葉。 ○ あいだに一行アキがあるのがミソです。私の時間感覚からすると,この場合,「そのとき」ではなく「あのとき」としたほうがしっくり来ます。一行アキによって一呼吸置いて(略) ○ コバルト短編小説新人賞の選考をやらせていただき,十四年のあいだに一番感じた変化は,「文章力のあるひとが増えた」です。これはたぶん,スマホの浸透などによって,日常的に文章を書く機会が増えたからじゃないかな,と思っています。
   目次 ようこそいらっしゃいました──まえがき アミューズブッシュ  [一皿目] 推敲について 他 *オードブル  [三皿目] 短編の構成について(前編) 他 *お口直し [その1] 饒舌なる言い訳 *スープ  [七皿目] 一行アキについて(前編) 他 *魚料理  [九皿目] 比喩表現について 他 *肉料理  [十三皿目] 情報の取捨選択について 他 *お口直し [その2] 好物は人間(語弊がある) *サラダ  [十七皿目] 高揚感について *チーズ  [十八皿目] 描写と説明について *デザート  [十九皿目] 書く際の姿勢について 他 *お口直し [その3] いきなりさておき *コーヒーと小菓子  [二十二皿目] お題について 他 *お口直し [その4] 困ったときの神頼み *食後酒  [二十四皿目] プロデビュー後について またのお越しをお待ちしております──あとがき
【関連】   ◇集英社Webマガジンコバルト 【おまけ】  2016年に大ブームが起こりました。話題として聞くことが少なりましたが,全世界で人気が続いているそうです。  「Pokémon GO」公式ツイッターアカウントで,5年間の軌跡を収めた特別映像を公開したことを伝えていました。  あなたは,最近 Pokémon GO を楽しみましたか。