集団「Emication」別館

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『渋沢栄一『論語と算盤』を読む』(原口泉・著)

花0607。 天気が良く,暖かくなりました。午後になると"暑さ”を感じる気候になりました。  「」がやってきたようです。  毎年,初夏に「あれっ。咲いてる。」と気づく花(写真)があります。秋の七草の一つですが,この時期に開花しています。  みなさん,近所で咲いているのを見かけませんか。  今年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』」の主人公,そして2024年度から新一万円札に描かれる渋沢栄一氏の業績そして書物,記録が話題になります。  著作の『論語と算盤』が有名ですが,原文は読み難く感じ,読んだことはありませんでした。先月のNHKテレビ「100分 de 名著」で取り上げられており,指南(解説)があると“何となく分かった”気がします。  書店にも,渋沢氏に関する図書が多くならび,題名に『論語と算盤』のあるものもあります。  そうした図書の一つ『渋沢栄一『論語と算盤』を読む』(幻冬舎・刊)です。  渋沢氏は,幕末から明治,大正,昭和を生き抜き,約500の会社の設立に関わり,約600もの社会福祉事業にも精力を注ぎました。  多くの経営者が「教養本」として勧める『論語と算盤』は,
 人間は「論語で人格を磨くこと」 と 「資本主義で利益を追求すること」 の両立が大切である。
と説いた教育論と言えます。  本書は,
 「ピンチをチャンスに変える」知恵に満ちた教訓に重点を置いて解説します。原著の10章構成をそのまま踏襲し,各項の見出しの表現も生かしながら,わかりやすい解説を試みました。  渋沢の生きた幕末から明治・大正,そして昭和初期と我々の生きる現代では,時代背景がかなり違います,渋沢の卓見に敬意を払いながらも,それらをすべて鵜呑みにすることなく,場合によっては現代の歴史的観点からの批判的見直しをも試みています。
と,著者の“読み解き”がされています。
 この「持続性」に関しては,高度にデジタル化された現代の世界でも,「hがじめに」で触れたように,持続可能な開発目標=SDGsとして重要課題となっています。
のように,著者の読み解きにより,現在につなげています。  取り上げられている”渋沢氏の言葉(文章)”を読み,それにつながる“論語』の一節”を読む,そこで「本を閉じて考える」ては,いかがでしょう。  そして著者の“解説”を,まずは素直に読む,続いて批判的に読むと,先の考えが深まっていきそうです。  読み切るには,とても時間がかかりそうです。  目次で,興味のある章,気になる項目を選び,それを読むだけでも,渋沢氏の思想に十分触れられそうです。  本書を読んでから,原著あるいは現代語訳の『論語と算盤』を読むと,渋沢氏の世界,思想により深く入っていけそうです。  いかがですか。
   目次 はじめに 第1章 論語と算盤「処世と信条」を読む 第2章 論語と算盤「立志と学問」を読む 第3章 論語と算盤「常識と習慣」を読む 第4章 論語と算盤「仁義と富貴」を読む 第5章 論語と算盤「理想と迷信」を読む 第6章 論語と算盤「人格と修養」を読む 第7章 論語と算盤「算盤と権利」を読む 第8章 論語と算盤「実業と士道」を読む 第9章 論語と算盤「教育と情誼」を読む 第10章 論語と算盤「成敗と運命」を読む 解説
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