集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『スマホを捨てたい子どもたち』(山極寿一・著)

花0321。 昨夜(20日18時09分ごろ),宮城県最大震度5強地震がありました。  先月の福島・宮城両県で最大震度6強を観測した地震も,この地震も,2011年3月に起きた東日本大震災の余震だそうです。  しかし,地震による被害怖さには,本震か余震かは関係ありません。  一人一人が,「災害に備える」ことを怠らずにいたいと思います。  題名の「スマホ」「子ども」が気になって『スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』(ポプラ新書)を手にしましたが,表紙に
 京大総長が語るゴリラに学ぶ「ヒトの未来」  スマホ依存,SNS疲れ… テクノロジーへの傾倒から抜け出し,新しい「つながり力」を探る。
とあるように,著者が"ゴリラ研究者”であることを気にしながら読みました。  読み始めると,
 今,ぼくたちを取り巻く環境はものすごいスピードで変化しています。(略) 次の情報革命まではわずか数百年。この四半世紀の変化の激しさを考えれば,次の革命まではほんの数十年かもしれません。
と,大きな環境変化を挙げています。ところが,人間の脳は,その変化に沿っていないことを述べています。
 人間が安定的な信頼関係を保てる集団のサイズ,信頼できる仲間の数は150人規模のままだということです。
 著者は,SNSなどを通じて不特定多数とつながれる"情報社会”となっても,そこにギャップがあると警鐘を鳴らします。  新型コロナ禍となり,"オンラインによるコミュニケーション”が,大人にも子供にも求められています。それぞれが"求め”ているようでありながら,そこに"追い込まれて”いることに気づいていないかもしれません。  本書は,そのことに「人とは」との”哲学の問い”から切り込んできます。  コミュニケーションで"言葉”が重要だと思っていますが,その言葉も単なる「シンボル」であり,理解も繋がりも出来ていないのではないかと,頭にガツンときました。  「言葉って何なのか」,「言葉の役割は何なのか」,「フィクションって何なのか」…  "つながる”こと,"つなぎ合わさる”ことを考えさせられます。  これからの社会が,ますますICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)やAI(Artificial Intelligence/人工知能)により,"個人を拡張”する方向に進んでいきます。そして,新型コロナ禍によってオンライン学習テレワークが一気に押し寄せ,人々が"これまでとの違い”に戸惑い,"新しい繋がり”を見い出せずにいます。  そんな"今だから”こそ,ヒトがもつ"能力”を活かして,これからを突き動かす"創発”が起こっていくことと思います。  そのヒントとなる,ゴリラに学ぶ知恵・力が満載の一冊です。  子育てや教育に携わるみなさんにお薦めです。  読書メモ
○ 人間は,感情や意識を忘れ,知識に偏り始めたことで,本来,決してわかるはずのない「好き嫌い」や「共感」,「信頼」といった感情を,情報として「理解」しようとするようになりました。 ○ 「緑」「赤」という言葉があるために,「緑の葉」「赤い実」として括ってしまっているだけです。自分の視覚で捉えたものを,自分がもっている言葉に翻訳してします。この時点で,フィクションにつくり変えてしまっているのです。 ○ スマホを通じたコミュニケーションでは,ダンスによる同調のように,同時に行うこと,同時に感じることができません。スマホの動画の中で人が動いていたとしても,それは記録されたものであって生身の動きではありません。たとえそれがライブであったとしても,自分の都合で止めることができます。記録されたものは,逆に延々とリピートすることもできます。それは,自分だけの時間だからです。 ○ 性質の異なる集団の両方をマネジメントできるのは人間だけであり,これを成立させているのは,人間だけがもつ強い共感力です。 ○ ところが,人間の赤ちゃんは,母親以外のおとなの手を必要とするので,大きな声で泣きます。 ○ 「教える」という行為ができるのも人間だけです。  「学ぶ」ことはどんな動物でもします。動物の子どもは,親や年上の仲間に叱られて学ぶのが基本です。 ○ こういう社会をつくったらかこそ,長い時間をかけて,生物学的な性質を変えて文化的な力をもつようになったということであります。それが,共同保育や共食,音楽といった,人間にしかないコミュニケーションによって発達した共感力であり,他者を思いやる気持ちです。 ○ ぼくたちおとなは,今の自分たちの頭の中にあるものからしか未来を創造できません。今の若者たちは,ぼくたちよりAIを使える頭脳をもっています。人間の頭で考えられること以上のものをつくり出す可能性がある。
   目次 まえがき 第1章 スマホだけでつながるという不安  ――ゴリラ学者が感じる人間社会の変化 第2章 僕はこうしてゴリラになった  ――生物としての人間を知るために 第3章 言葉は人間に何をもたらしたのか  ――ゴリラから見た人間世界 第4章 人間らしさって何?  ――皆で食べ、育て、踊る人間の不思議 第5章 生物としての自覚を取り戻せ  ――AIに支配されないために 第6章 未来の社会の生き方  ――生活をデザインするユートピアへ あとがき
【参考】   ◇映画「Fukushima 50」公式サイト   ◇映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ) (@Fukushima50JP)Twitter)   ◇アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv)Twitter