『うめぼしの歌』(「うめぼし」;尋常小学読本)
今日も青空が広がっていましたが,午後になって曇ってきて肌寒い日でした。
先日,資料を整理していて,音楽療法で20年ほど前に使われた楽譜(歌詞)が出てきました。
手書きの歌詞で,題名は『梅干しの歌』でした。譜面はありませんが,題名の下に「鉄道唱歌/うさぎとかめ」と書かれています。 これが,元になっている詩です。
もう一冊は,大正8年10月に大阪書籍から出版された「尋常小学読本 巻五」です。これには,「第十五 梅ぼし」で掲載されています。
いくつか異なる歌詞があり,最後の3行は違う内容になっていました。
梅の花を見て,「実」のこれからを思い,この詩を思い出すようになるかもしれません。
でも,詩を諳んじるのは難しいかな。どんな曲が浮かぶかな。
新しい発見のあった古い資料でした。
【参考】
◇うめぼしのうた、という一つの詩から、複数の曲が生まれた。(2020/03/31 〜メクリヱ〜 梅が香のめくる恵みのめじろおし)
◇紀州梅ぼしPRソング 梅ぼしのうた<紀州ばーじょん>ができました(2016/07/11 和歌山県漬物組合連合会)
◇うめぼしのうたホームページ(フラワーラジオ)
◇うめぼしの歌(元気村グループ 共に生きる)
◇うめサブロー (@umesaburo_FM767)(Twitter)
梅干しの歌(鉄道唱歌/うさぎとかめ) 1 二月三月 花盛り うぐいす鳴いた 春の日の 楽しい時も 夢のうち 五月六月 実がなれば 2 枝から ふるい 落とされて 近所の町に 売り出され 何升何合 量り売り もとより すっぱい この体 3 塩に つかって からくなり しそに 染まって 赤くなり 七月八月 暑い頃 三日三晩の 土用干し 4 思えば つらい事ばかり これも 世のため 人のため しわが よっても 若い気で 小さい子らの 仲間入り 5 運動会にも ついて行く まして戦(イクサ)の その時は なくては ならぬ この私 なくては ならぬ この私この歌や歌詞を聞いた(見た)ことがありましたか。 「♪ 鉄道唱歌」の曲で歌ってみると,上手くいきます。続いて,「♪ うさぎとかめ」に代えてみると,これも歌えます。 あの頃の高齢者には,どちらも承知している曲で,皆で楽しめました。 今回,この歌について知りたいと,「梅干しの歌 音楽療法」で検索すると,“いろいろな曲”が存在すること,そして『尋常小学読本 巻五』に詩が載っていることが分かりました。 検索の上位に,特別養護老人ホーム・翔裕園(埼玉県鴻巣市)が,宮川博之氏に作曲を依頼したポップス調の曲がありました。この曲に合わせて踊る「元気体操」もあるようです。 ♪鉄道唱歌に合わせて歌うのとは印象の違う“新しいうた”でした。(下部に動画を載せました) 5番の歌詞に「まして戦(イクサ)の その時は」とあり,それを『尋常小学読本 巻五』で確認すると,2つの読本が見つかりました。 大正3年9月に日本書籍から出版された「尋常小学読本 巻五」では,「第十 うめぼし」が掲載されています。