集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『うめぼしの歌』(「うめぼし」;尋常小学読本)

花0207。 今日も青空が広がっていましたが,午後になって曇ってきて肌寒い日でした。  先日,資料を整理していて,音楽療法で20年ほど前に使われた楽譜(歌詞)が出てきました。  手書きの歌詞で,題名は『梅干しの歌』でした。譜面はありませんが,題名の下に「鉄道唱歌/うさぎとかめ」と書かれています。
   梅干しの歌鉄道唱歌/うさぎとかめ) 1 二月三月 花盛り   うぐいす鳴いた 春の日の   楽しい時も 夢のうち   五月六月 実がなれば 2 枝から ふるい 落とされて   近所の町に 売り出され   何升何合 量り売り   もとより すっぱい この体 3 塩に つかって からくなり   しそに 染まって 赤くなり   七月八月 暑い頃   三日三晩の 土用干し 4 思えば つらい事ばかり   これも 世のため 人のため   しわが よっても 若い気で   小さい子らの 仲間入り 5 運動会にも ついて行く   まして戦(イクサ)の その時は   なくては ならぬ この私   なくては ならぬ この私
表紙0207。 この歌や歌詞を聞いた(見た)ことがありましたか。  「♪ 鉄道唱歌」の曲で歌ってみると,上手くいきます。続いて,「♪ うさぎとかめ」に代えてみると,これも歌えます。  あの頃の高齢者には,どちらも承知している曲で,皆で楽しめました。  今回,この歌について知りたいと,「梅干しの歌 音楽療法」で検索すると,“いろいろな曲”が存在すること,そして『尋常小学読本 巻五』に詩が載っていることが分かりました。  検索の上位に,特別養護老人ホーム・翔裕園(埼玉県鴻巣市)が,宮川博之氏に作曲を依頼したポップス調の曲がありました。この曲に合わせて踊る「元気体操」もあるようです。  ♪鉄道唱歌に合わせて歌うのとは印象の違う“新しいうた”でした。(下部に動画を載せました)  5番の歌詞に「まして戦(イクサ)の その時は」とあり,それを『尋常小学読本 巻五』で確認すると,2つの読本が見つかりました。  大正3年9月に日本書籍から出版された「尋常小学読本 巻五」では,「第十 うめぼし」が掲載されています。
「うめぼし」0207。
 これが,元になっている詩です。  もう一冊は,大正8年10月に大阪書籍から出版された「尋常小学読本 巻五」です。これには,「第十五 梅ぼし」で掲載されています。
梅ぼし0207。
 いくつか異なる歌詞があり,最後の3行は違う内容になっていました。  梅の花を見て,「」のこれからを思い,この詩を思い出すようになるかもしれません。  でも,詩を諳んじるのは難しいかな。どんな曲が浮かぶかな。  新しい発見のあった古い資料でした。 【参考】   ◇うめぼしのうた、という一つの詩から、複数の曲が生まれた。(2020/03/31 〜メクリヱ〜 梅が香のめくる恵みのめじろおし)   ◇紀州梅ぼしPRソング 梅ぼしのうた<紀州ばーじょん>ができました(2016/07/11 和歌山県漬物組合連合会)         ◇うめぼしのうたホームページ(フラワーラジオ)   ◇うめぼしの歌(元気村グループ 共に生きる)
  ◇うめサブロー (@umesaburo_FM767)Twitter