集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

学校再開に向けて(もしも校長だったら)

予防0515。 全国に出ていた緊急事態宣言が,昨日,8都道府県を除く39県が解除されました。   ◇新型コロナウイルス感染症対策本部(第34回)首相官邸ホームページ)  これにより,さまざまな活動が徐々に再開されていきます。  学校も,分散登校から通常登校へと“再開”に向けての工程に入りました。  2月末の臨時休校,新年度の緊急事態宣言による休校そして延長と続き,子供達は家庭学習,学校はオンライン指導・学習で過ごしてきました。  この間に,学校では,子供達が登校し学習する準備をし,環境を整えみえたと思います。  その実際を承知しませんが,「もし自分が校長だったら…」と,学校再開に向けた準備を考えました。  最初に,「教育の目的」を再確認します。それは「教育基本法」(2006年12月22日公布・施行)に記されています。
第一章 教育の目的及び理念  第一条(教育の目的) 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
 いかにも法律っていう文言ですが,すべての学校はこの目的をもって教育活動を行っています。  そして続く,第二条で,5つの目標を掲げています。
第二条(教育の目標) 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 ?幅広い知識と教養を身に付け、?真理を求める態度を養い、豊かな情操道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。 二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。 三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 四 生命を尊び、自然を大切にし、環境保全に寄与する態度を養うこと。 五 伝統文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和発展に寄与する態度を養うこと。
 休校が続くことで,“学習の遅れ”が問題になりますが,それは目標の一部であり,他の目標の達成も重要であることがわかります。 予防0515-2。  前置きが長くなりましたが,学校再開には「保護者と地域が子供が登校することに“安心できる」ことが必要です。  教育は,学校(教職員)だけでできることではありません。そのために,保護者や地域に「具体的”な取り組みの情報」を提供し,登校することの判断ができるようにします。  4月当初にできていない「新型コロナウイルスについての指導」が,最初の授業です。正しい知識をもち,適切な対処ができるように,保健主事最新の情報から教材を準備します。並行して,養護教諭学校医に対処の指導を受けます。  その授業を受けた子供達が,差別や風評となることを言う人に「○○なんて言っていてはいけない」と言えるような指導(授業・教材)を準備していきます。  学校で「子供の命を守る」のは当然ですが,その“難しさ”は,これまでとは比べものにならず,正解や完璧は見つかりません。最善であることを目指して取り組みを行います。  今回は「消毒液で校内を消毒します。校内の換気も定期的に行います。」では,“安心”にはつながりません。例えば,
○ 消毒液は,どの量が確保できているのか。 ○ その量が終わる前に,次の補充はあるのか。 ○ 消毒液の種類は何か。 ○ どの範囲の消毒を,誰が,いつ行うのか。 ○ 消毒する,時期(時間)や間隔はどうするか。 ○ 消毒は,誰がするのか。 ○ 換気をする時間や間隔は,そして誰がするのか。 ○ 雨天の換気は,どのように行うのか。 …
 校内では,消毒の「作業マニュアル」が作成されていると思いますが,その要点を具体的に示しておくことが,安心につながります。  家庭でマスクや消毒液が手に入らない現状で,学校に十分な量が確保できるとは思えません。おそらく家庭用漂白剤(ハイターなど)から“次亜塩素酸水”を作って消毒に利用します。その際,その「作り方」は,学校薬剤師など専門家の指導を受けるようにします。  ネットなどに情報はありますが,学校での利用に“適しているのかの判断”が必要です。  また,消毒液の種類によっては,アレルギーを発症する子が出てきます。これまで調べていないことは,正確な調査が必要です。
【追記 05/15 11:00】 友人から“次亜塩素酸水”の記述について,「ハイターを薄めて作るのは次亜塩素酸ナトリウムで…。」と,次亜塩素酸水との違いや,勤務校の対応(準備)を連絡いただきました。(ありがとございました)  このまま,職員が学校薬剤師に相談に行ったら,「何をしているの!」とお叱りを受けたでしょう。  厚生労働省が「食器・手すり・ドアノブなど身近な物の殺菌消毒に有効」としていますが,取り扱いには十分な注意のいる次亜塩素酸ナトリウム液です。みなさん,お気をつけください。
 また,服装も「制服や体操服を基本として,私服も可能」とします。登校が始まると,“多くの人と会う”ことになります。帰宅後のシャワーも推奨される状況ですから,下校後に“着ていた服は洗濯”という家庭が多くなり,「制服や体操服が乾かない」こともあるでしょう。そのときは私服で登校すればよいのです。「着ていく服がないから休む」のは残念です。  さらに,学校生活では
○ 教室などのそうじを子供がするのか。 ○ ゴミ箱を使えるのか。 ○ ゴミの片づけは,いつ,誰がおこなうのか。 ○ ノートなどの配付を子供がするのか。 …
 「ウイルスはどこにでもある」から,うがいや手洗いなどの励行が強く言われています。  “校内を消毒する”状況で,汚れ(ウイルス)に触れる可能性の高くなる活動は,控える必要があるでしょう。ゴミも,“個人で持ち帰る”ことが基本であり,ビニル袋などの持参を呼びかけることになります。  ノートや課題を集め,それを戻す(配付する)ことは,これまで係活動として子供が行っています。これも,行わせるのかしないのかを判断し,説明しておく必要があります。係活動の意味・意義と感染防止からの判断です。  学校生活を考えて,長くなってしまいました。他は省略しますが,最初に述べた「保護者と地域が,子供が登校することに“安心できる」情報を提供できるよう,さまざまな想定のもと準備を進めたいものです。  そして,その情報を,少しずつ分かりやすく適時に発信していくことが肝要です。  学習活動については,またの機会に。
再開0515。