集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

教育の話…。詩「一つのこと」(斎藤喜博)

実1219。 今日も“いつもより暖かい朝”でしたが,日中は“いつもの気候”になってきたような感じがしました。  しかし,気温はまだ高く,しばらく続きそうです。このまま年末を迎えるのかな…。  今週,いろいろと教育に関わる話を聞きました。  デジタル教科書の広がりにより学校の環境,そして出版社や取次店の形態(ビジネスモデル?)の変化…。  4Kテレビは縁がないと思っていましたが,授業を4Kで撮影することで方法と情報が大きく変化…。  教材研究が…。  教員を目指す大学生が…。  考えること,思うこと,そして行動,いろいろと…。  教材研究の話から,斎藤喜博氏を思い出しました。知っていますか。  斎藤喜博氏は,1952年から1963年まで11年間,群馬県佐波郡島村の島小学校の校長先生でした。  実際に,その“とき”を知りませんが,著作や記録を読むと,子供達や保護者,学校職員が,いきいきと活動していたことがわかります。  また,職員みんなで教材研究をし授業づくりをしていました。公開研究会には,全国から多くの参観者が集まり,授業について口角に泡を飛ばして話し合ったそうです。  教材研究について述べているなかに,次のように順序をあげているものがあります。
 教師はつぎのような順序で,教材と授業を考えてみる必要がある。 (1) 教材を解釈するすじみち  教師として,一人の人間として,教材をどのようなすじみちで解釈していくか。 (2) 授業を構造化する  その教材の解釈を,どのようにして学級の一人ひとりの子供とつき合わせ,かみくだいていき,授業を構造的なものにしていくか。 (3) 教材を分析する  教材には必ず授業展開の核とか中心とかになるものがあり,どのようにつかまえていくか。授業はそれを手がかりにして展開していく。 (4) 授業展開のなかでの新しい発見  実際の授業展開になると,教材に対する新しい発見をするものである。  授業展開のなかで教材や子供と衝突することによって新しい発見をしたとき,教師はどのように対処したらよいか。  以上のようなことが,一通り行われたとき,すぐれた授業展開は保障されるのだと考えている。  この四つのことを,できるだけ正確に,精密に,法則的にとらえておくことが授業者として心がけておかなければならないことだと考えている。
 このことは,今の先生方に伝わるでしょうか。  また,斎藤喜博氏の著作は,教育書で教師向けに書かれたものが多いのですが,子供に向けて書いた『君の可能性―なぜ学校に行くのか』(ちくま文庫という本があります。  そのなかに『一つのこと』という詩があります。
    『一つのこと』 いま終わる 一つのこと いま越える 一つの山 風わたる 草原 ひびきあう 心の歌 桑の海 光る雲 人は続き 道は続く 遠い道 はるかな道 明日のぼる 山もみさだめ いま終わる 一つのこと
 子供達は,この詩を読んで,何を感じるでしょう。  そして,大人・先生は,何を伝えようとしているでしょう。