集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『算数科の深い学びを実践する』(岡崎市算数・数学教育研究部・編著)

紅葉1203。 気温が低くなっていますが,日中は晴れて暖かくなった一日でした。  北海道や日本海側では,暴風雪や暴風の警報が発表される“荒れた天候”になっているようです。  です。寒さへの備えはできていますか。  小学校での「新学習指導要領 全面実施」まで4か月を切りました。そこで求められるのが「主体的・対話的で深い学び”の実現」です。  本書は,“深い学び”を視点とする『算数科の深い学びを実践する』(黎明書房・刊)です。  帯(?)に
 新学習指導要領における 小学校算数科の学習指導に すぐに役立つ現場待望の書。
とあるように,愛知県岡崎市の“現場の先生”方が編集・執筆し,授業に役立つことを目指してかかれています。  ただ…。  「深い学び」をタイトルにした図書としては,2017年6月に『深い学びが生まれる算数授業』(玉置崇・鈴木明裕・芳賀高洋・小林永児・共著)を紹介しました。  この本では,
 さて,どこにも「深い学び」が出てきません。  タイトルに偽りが…。
と疑問をもちながら読み進むと,
 授業展開にいる子供の学び…。  本書を読んでいる人の学び…。  「深い学び」がありました。
と,題名にある「若い教師のための」に向けた学びの書でした。  それに対し,本書は,
 そして,「主体的,対話的で深い学び」という言葉が着目されています。  こには新しい言葉が並んでいるようではありますが,私たちがこれまでの授業を通して実践し求め続けてきたものとは大きく変わりはありません。特に,「主体的,対話的な学び」を目指す授業は,私たちの愛知県三河地区では,個人の研究として,学校の研究として,教科部会の研究として,こだわりをもって取り組まれてきています。また,「深い学び」についても,言葉はともかくも,その内容としてどのようなことを表すのかはおよそを捉えた授業は進められてきています。しかし,その精度を上げた取り組みは必要ですし,明確になっているかと問われれば曖昧な点もあります。
と,はじめにで述べているように,三河地区(岡崎市)での実践が“確かさ”を持ったものでありつつ,次(未来)へ向けて“曖昧さ”を解消(?)していくことを述べています, 本1203。  第1章で「深い学び」について,
○ 集合の考え ○ 関数の考え ○ 単位の考え ○「筋道を立てて考える」ことについて ○「統合的に考える」ことについて ○「発展的に考える」ことについて
を視点として挙げ,実践の方向を示しています。  第2章で,13の授業実践を掲載し,それぞれについて「○○の概念形成の指導」「○○の概念形成の指導上の問題点」(1)(2)を述べ,具体的に記録から“深い学び”を述べています。  帯の“すぐに役立つ”を“How to”として手にした方には,読み切るのは難しいかもしれません。  算数科指導の“本質を再確認し,日々の指導を時間をかけて見直す材料を提供してくれる一冊です。  先生,新年度までに本書を手に,“新しい授業”を考えてみませんか。
   目次 監修の言葉 刊行によせて はじめに 第1章 「深い学び」と数学的な見方・考え方 第2章 数学的な見方・考え方に基づく深い学びの授業実践 【コラム】 参考文献 おわりに
図書1203。参考】   ◇『新・算数指導の疑問これですっきり―It’s OK!』黎明書房・刊)   ◇『中学校数学指導の疑問これですっきり』黎明書房・刊) 【関連】   ◇岡崎市現職研修委員会 算数・数学部