『あたらしい森林浴』(小野なぎさ・著)
朝は“雨模様の一日”を予感させる天候でしたが,徐々に晴れてきて,日中は青空になり暑さを感じる日になりました。
気持ちのよい一日でした。
午後,映画愛好会の映画鑑賞会でした。
今月は,40年前の作品でしたが,ブルーレイ化された作品は,迫力も色彩も見ごたえ十分でした。
40年前に作られた作品は,今も人気です。内容も結末も分かっているのに,何度見ても楽しめる作品でした。
どきどきして楽しみました。
終了後,来月から年度内の日程を相談しました。次回の作品も楽しみです。
森林や雑木林に囲まれた作手高原を,「自然豊かで…」「森林の恵みがあり…」「山で遊んで…」など評する言葉を耳にします。
確かに,幼い頃は山や森は“遊び場の一つ”でした。そして,燃料(薪)や食材(山菜)を得られる場所でした。
しかし,時代が移り生活環境が変わり,山や森へ足を運ぶ人が減りました。“森の役割”は,多くの人の意識から消えていったようです。
森林や雑木林が荒れていかないよう活動されている方々がたくさんいます。
当地にも生業として林業に携わる方,山へ誘う魅力的な活動をされている方がいます。
つくで交流館の書架にあった『あたらしい森林浴 地域とつくる! 健康・人材育成プログラム』(学芸出版社・刊)は,“森林浴”を切り口に,森で過ごすこと,森を仕事とすることを提案しています。
“森林浴”の可能性について,三つの立場で紹介すると「はじめに」で述べています。
○ 日々忙しく働き,自然から離れた都会生活を送っている人。 ○ 自分や身内が山林(森)を所有していてなにかに活用したいと考えている人。 ○ 所有はしていないけれど地域や日本の森をもっと活用したい,木材を売ること以外でも森で事業をつくりたいと考えている人。あなたに当てはまるものがありますか。新しい気づきや行動のきっかけが見つかるかもしれません。 1章で紹介される,「スギの丸太を2本売っても,1000円のランチ代程度にしかならない」といった林業の状況に,「やはり厳しいのでは…」と思えてきます。 その状況に,あたらしい森林浴が可能性を開くと言います。その提案とともに,各地の活動から“可能性”を示しています。 とはいえ,“事業”としていくには課題もあり,それにも触れています。5章の森林セラピーの取り組みでは,
○事業化させたいけど補助金なしでは回らない。 (行政主導の非営利事業という壁) ○担当者である行政職員がすぐ変わるのでモチベーションが続かない (担当者の異動や縦割りの壁) ○高齢化が進み,専門ガイドの担い手が足りない (世代交代の難しさ)をあげ,そこから“持続可能性へのヒント”や“森林浴の事業をつくること”,“森林浴を仕事にしてみるとき”へと進めています。 いろいろな地域活動が,似た課題を感じて(持って)いるよに思います。本書の内容が,対応のヒントになるかもしれません。 著者はブログで,
あたらしい森林浴は これからの人と森の在り方を 触れ合い、感じながら築いていくこと。 過去から、未来へ、途切れることなく続く今を 変化を続けながら、より良い関係で繋いでいくこと。 調べても、考えても、答えはみつからないだろう。 わたしたちが、肌で感じて、気づいて、動いていくことでしか 築くことはできないだろう。 身体がある人間だから、感じられることがある。と述べています。 本書から「肌で感じて,気づいて,動いていくこと」へ一歩踏み出してみませんか。そこから“築くこと”が始まっていくのでしょう。 追記;著者は,『森ではたらく! 27人の27の仕事』(学芸出版社・刊)のなかで,「森で癒す人 森林セラピスト 小野なぎさ(グリーンドック)」として紹介されています。
目次 はじめに:森林浴を選んだ理由 1章 森林浴は今、可能性がある。 2章 森林浴の医学的効果 3章 海外が注目する日本発祥のShinrin-yoku 4章 地域と人を元気にする! 森林浴の可能性 5章 ヘルスケア事業としての森林浴 6章 人を成長させる森林浴 おわりに:森林浴を仕事にする【関連】 ◇小野 なぎさ(Facebook) ◇一般社団法人 森と未来 ―都会の人と、地域の森を繋ぐ―